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女喰い
第6章 弥八郎
「そうだ、話がわかるじゃねーか」

「そりゃあね、あたしだって、こんな婆さんになっても人の子だ、お美代ちゃんを助ける為なら喜んで協力するよ」

産婆は胸を張って笑顔で言った。

「おお、そりゃ心強ぇ、頼むわ、あっ……、忘れるとこだった、お美代ちゃん、お菊ちゃんだがな、手紙渡しといたぜ」

弥八郎は産婆が協力的だった事に気をよくしたが、ホッとしたついでにお菊の事を思い出した。

「あっ、はい……、ありがとうございます、あの、お菊ちゃんは……元気そうにしてましたか? 」

お美代はお菊の事がずっと気になっていた。

「ああ、元の姿は知らねーが、普通に見えたな、ただな、体は元気そうでも……元気があるようには見えなかった、親父がやらかした事だが、いっぺん中に入っちまったらもう救い出す手立てはねー、いい旦那がつけば別だがな」

弥八郎はそのままを伝えたが、手紙を渡した時、お菊は窓際に座って嬉しそうに受け取った。
だが、手紙を持ったまま目線を窓の外へ移した。
なにも言わず、ただぼんやりと外を眺めていたが、生気を無くした虚ろな目をしていた。
弥八郎には生きているというより、生かされているといった感じに見えた。

「そうですか……」

お美代はやっぱり会わない方がいいんだと、改めてそう思ったが、お菊が手紙を読んで赤ん坊の事を知り、たとえ僅かでも……お菊にとって助けになる事を願っていた。








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