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女喰い
第7章 助け舟
「わかった、じゃあ、俺とお前、2人一緒について行く、どのみち町奴の奴らが狙ってるからな」

弥八郎は自分と江衛門が護衛について行く事を条件に、承諾した。

「ああ、それなら安心だ、お美代ちゃん、よかったな」

江衛門は笑顔でお美代に言った。

「はい、ありがとうございます」

お美代は江衛門の優しさを噛み締めながら頭を下げた。


五作の家は山間の農村にある。
少しばかり歩かねばならないが、2人が一緒なら安心だ。


行くのは明日の朝と決まった。
食事を済ませて出発となる。
弥八郎は頃合を見てやって来るとの事だ。

お美代は五作になにか作って持って行こうと思った。
最後に会ったのは、こんな事になる少し前だった。
いつものように食材を届けにきてくれたが、お美代がお礼を言ったら、五作はにかんだような笑顔を見せた。
その顔が脳裏に浮かんできて、悲しさと申し訳なさでいっぱいになったが、少しでも元気になって貰いたくて、芋の煮っころがしを作った。

夜は特に用がなければ行灯はつけない。
自ずと早く寝る事になるが、床に入った後で江衛門が衝立越しに話しかけてきた。

「お美代ちゃん、もう寝たか? 」

お美代はハッとして衝立を見た。
床に入った後で江衛門が話しかけてくるのは珍しいからだ。

「いえ、まだ起きてます」





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