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女喰い
第7章 助け舟
「そうか……、明日、五作の家に行くが、おそらく、あまり歓迎してはくれないだろう、場合によってはなにか心無い事を言われるかもしれぬ、一応覚悟しておいた方がいい」

江衛門はひと通り事情を知る立場となっている。
五作が両親にどこまで明かしてるか分からないが、もしお美代の事を明かしたとしたら、両親はお美代を責めるだろう。
確かに……五作は気の毒だとは思う。
しかし、五作は自らの意思で動き、その結果招いた不幸だ。
それに比べて、お美代が彦兵衛から受けてきた仕打ちは、あまりにも理不尽で一方的である。
お美代はもう十分過ぎる程傷ついている。
これ以上傷つくような事になったら、あまりにも不憫に思えた。

「はい、覚悟しておきます」

お美代はすぐに返事をしたが、お美代自身、そうなる事は薄々わかっていた。

「それならよい、明日は早起きせねばならん、もう寝よう」

「はい」

江衛門にもう一度返事を返し、自分なりに覚悟を決めて目を閉じた。



翌朝、お美代は夜が明けてまだ薄暗いうちに目覚めた。
釜戸に火口を置き、火打石を叩いて火種を得る。
火ふき竹を用いて火を起こし、予め研いだ米を釜に入れて炊く。
後は汁と煮物を作れば終わりだ。
五作の為に作った煮っころがしは、汁気をきり、丁寧に竹皮に包んで竹製の提げ重に入れた。

食事の用意ができたら旅支度をする。
日帰りとは言っても、長屋に帰ってくるのは夕刻以降になると思われ、ちょっとした旅になるからだ。
ゴソゴソと動き回っていると、江衛門が目を覚ました。




「お美代ちゃん、俺もなにか手伝う、ちょっと待て、先に顔を洗ってくる」

江衛門は土間に降りて草履を履き、お美代に声をかけて外の井戸へ向かった。

「すみません」





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