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女喰い
第7章 助け舟
弥八郎の言った事は間違ってはいなかった。
息子として身近に見てきたから言える事だ。
「ああ、そうかい、じゃ仕方ねぇ、力づくで奪うまでだ」
しかし、町奴の男は彦兵衛に雇われている。
他の奴らに目配せすると、5人は示し合わせたように3人に襲いかかってきた。
江衛門が刀で応戦し、峰打ちでひとり叩きのめし、続けざまにもうひとりを打ちのめした。
弥八郎は匕首を振りかざす町奴の腕を掴み、思い切りぶん殴った。
その間に、別の男がお美代を捕まえて連れ去ろうとしたが、江衛門がすかさず男の背中に刀を振り下ろす。
男は呻き声をあげて地面に倒れ込み、うずくまって動けなくなった。
江衛門は斬り殺すつもりはない。
全て峰打ちだったが、峰打ちを受けた奴らは皆蹲って立てなくなっている。
残るはあとひとり。
弥八郎が力づくで男を押さえ込み、木立の中に蹴り倒した。
「へっ、口ほどにもねぇ」
弥八郎はしたり顔で言い、お美代はこれでおさまると思った。
だが、その直後に聞いたことのない大きな音が鳴り響き、お美代は耳をつんざくような音にビクッとして弥八郎を見た。
「う"……っ! 」
弥八郎の肩から血が流れ出し、弥八郎は肩を押さえてよろついた。
「弥八郎さん! 」
「弥八郎! 」
お美代と江衛門は弥八郎のそばに走り寄った。
「ふっ、親にたてつく馬鹿息子に、天罰がくだったのだ」
背後から聞き覚えのある声がして、お美代は恐る恐る振り向いた。
すると、少し離れた場所に彦兵衛が立っていたが、手に見た事のない妙な物を握り、薄ら笑いを浮かべている。
「郷田屋、それは……」
江衛門は彦兵衛が持つ奇妙な物を見て言った。
「ご存知かな? 旗本奴なら銃くらい備えてあるだろう、ああ、もしかして火縄銃をお使いかな? これは個人的に入手した最新式の銃だ」
彦兵衛は旗本奴を馬鹿にして、得意げに銃を見せる。
息子として身近に見てきたから言える事だ。
「ああ、そうかい、じゃ仕方ねぇ、力づくで奪うまでだ」
しかし、町奴の男は彦兵衛に雇われている。
他の奴らに目配せすると、5人は示し合わせたように3人に襲いかかってきた。
江衛門が刀で応戦し、峰打ちでひとり叩きのめし、続けざまにもうひとりを打ちのめした。
弥八郎は匕首を振りかざす町奴の腕を掴み、思い切りぶん殴った。
その間に、別の男がお美代を捕まえて連れ去ろうとしたが、江衛門がすかさず男の背中に刀を振り下ろす。
男は呻き声をあげて地面に倒れ込み、うずくまって動けなくなった。
江衛門は斬り殺すつもりはない。
全て峰打ちだったが、峰打ちを受けた奴らは皆蹲って立てなくなっている。
残るはあとひとり。
弥八郎が力づくで男を押さえ込み、木立の中に蹴り倒した。
「へっ、口ほどにもねぇ」
弥八郎はしたり顔で言い、お美代はこれでおさまると思った。
だが、その直後に聞いたことのない大きな音が鳴り響き、お美代は耳をつんざくような音にビクッとして弥八郎を見た。
「う"……っ! 」
弥八郎の肩から血が流れ出し、弥八郎は肩を押さえてよろついた。
「弥八郎さん! 」
「弥八郎! 」
お美代と江衛門は弥八郎のそばに走り寄った。
「ふっ、親にたてつく馬鹿息子に、天罰がくだったのだ」
背後から聞き覚えのある声がして、お美代は恐る恐る振り向いた。
すると、少し離れた場所に彦兵衛が立っていたが、手に見た事のない妙な物を握り、薄ら笑いを浮かべている。
「郷田屋、それは……」
江衛門は彦兵衛が持つ奇妙な物を見て言った。
「ご存知かな? 旗本奴なら銃くらい備えてあるだろう、ああ、もしかして火縄銃をお使いかな? これは個人的に入手した最新式の銃だ」
彦兵衛は旗本奴を馬鹿にして、得意げに銃を見せる。