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女喰い
第7章 助け舟
「抜け荷か……」

江衛門は郷田屋がオランダ人や中国人を相手に、密貿易をしている事を知っている。

「ふっ、なにも驚く事ではあるまい、あなた様はもうお上の犬ではないのだから、似たりよったり、ひとつ穴のムジナだ」

彦兵衛は臆する事なく、口元をニヤリと歪めて言った。

「黙れ! てめぇと一緒にするな! 」

弥八郎が声を荒げたが、ぬけぬけとほざくのを聞いてカッとなったのだ。

「まだ減らず口を叩くか、頭の狂った母親に似たんだな、お前はわしが作ったが、畑があれではまともになる筈がない、子供ならいくらでも作れる、わしはお前のような失敗作を世に出した事を世間様に申し訳なく思う、責任をとって……わしがこの手でお前を消してやる」

彦兵衛は自分の妻を好き放題に貶し、身勝手な事を言って手を前に出した。
手には銃が握られているが、すっと弥八郎へ銃口を向ける。

「郷田屋! 馬鹿な真似はやめろ、お主は散々非道な真似をして、我が子まで手にかけると申すのか? 弥八郎はお主の悪行をお上に訴え出てもよかったんだ、しかし弥八郎は……、どんな親でも我が親だ、死に至らしめる事はできぬと言って踏みとどまった、お主は修羅の道を歩む気か、年端もいかぬ下女に手を出し、禁制を犯して密貿易、その上でお美代を救わんとする我が子まで殺したら……今度こそ死罪は免れぬ、郷田屋、お主にも僅かなりとも情けはある筈、くだらぬ事はよせ、その手をひくのだ」

江衛門が庇うように弥八郎の前に立ち、彦兵衛を叱咤した上で説得する。




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