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女喰い
第7章 助け舟
「ああ、自業自得もいいとこで、親父にはぴったりの死に様だ」
弥八郎は彦兵衛の死を悼む気持ちは無かった。
これまでにやってきた事のつけが回ってきた。
そうとしか言いようがなかったが、このままでは五作は罪に問われ、死罪を言い渡されてしまう。
何としてでも五作を救わねばならない。
どうすべきか、必死に頭を巡らせて考えた。
「江衛門、俺はお美代ちゃんと五作を連れて町へ帰る、先にお美代ちゃんを長屋へ送り届け、その後で五作を連れて奉行所に行く、自訴なら罪を軽くする事ができるかもしれねぇ、そこで事と次第を話し、親父の悪行を洗いざらい喋る、江衛門、あんたは仲間と手分けして、店の者や村の人間も……、可能な限り署名を集めてくれ、それで嘆願書を作り、奉行所に提出して欲しい」
弥八郎は思いつく限りの手立てを口にする。
「ああ、それは妙案だ、わかった、拙者の知人を通せば話が通りやすい、吟味方与力だからな」
江衛門はいい考えだと思い、知人の役職を明かした。
「おお、そりゃ心強ぇ、それじゃ頼む、五作、分かったな、俺と共に行こう」
それを聞いて弥八郎は表情を明るくし、五作に声をかける。
「わかった」
五作はすんなり頷いた。
自分には難しい事はなにも分からない。
弥八郎の言う通りに従うだけだ。
「で、郷田屋は……、後は役人に任せるか」
江衛門は立ち上がって言った。
「ああ、野盗が出るかもしれねぇ、めぼしい物は抜いていく」
弥八郎は肩がズキズキと痛んでいたが、今はそれどころではない。
彦兵衛の懐を探り、財布や金目の物を抜き去ったが、手に握られた銃も奪った。
自分の怪我と銃、この2つがあれば正当防衛の証拠になる。
弥八郎はそれらを持ってお美代と五作をひき連れ、来た道を戻って行き、江衛門はそこから一番近場にある仲間の拠点へ向かった。
弥八郎は彦兵衛の死を悼む気持ちは無かった。
これまでにやってきた事のつけが回ってきた。
そうとしか言いようがなかったが、このままでは五作は罪に問われ、死罪を言い渡されてしまう。
何としてでも五作を救わねばならない。
どうすべきか、必死に頭を巡らせて考えた。
「江衛門、俺はお美代ちゃんと五作を連れて町へ帰る、先にお美代ちゃんを長屋へ送り届け、その後で五作を連れて奉行所に行く、自訴なら罪を軽くする事ができるかもしれねぇ、そこで事と次第を話し、親父の悪行を洗いざらい喋る、江衛門、あんたは仲間と手分けして、店の者や村の人間も……、可能な限り署名を集めてくれ、それで嘆願書を作り、奉行所に提出して欲しい」
弥八郎は思いつく限りの手立てを口にする。
「ああ、それは妙案だ、わかった、拙者の知人を通せば話が通りやすい、吟味方与力だからな」
江衛門はいい考えだと思い、知人の役職を明かした。
「おお、そりゃ心強ぇ、それじゃ頼む、五作、分かったな、俺と共に行こう」
それを聞いて弥八郎は表情を明るくし、五作に声をかける。
「わかった」
五作はすんなり頷いた。
自分には難しい事はなにも分からない。
弥八郎の言う通りに従うだけだ。
「で、郷田屋は……、後は役人に任せるか」
江衛門は立ち上がって言った。
「ああ、野盗が出るかもしれねぇ、めぼしい物は抜いていく」
弥八郎は肩がズキズキと痛んでいたが、今はそれどころではない。
彦兵衛の懐を探り、財布や金目の物を抜き去ったが、手に握られた銃も奪った。
自分の怪我と銃、この2つがあれば正当防衛の証拠になる。
弥八郎はそれらを持ってお美代と五作をひき連れ、来た道を戻って行き、江衛門はそこから一番近場にある仲間の拠点へ向かった。