この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女喰い
第7章 助け舟
「ああ、自業自得もいいとこで、親父にはぴったりの死に様だ」

弥八郎は彦兵衛の死を悼む気持ちは無かった。
これまでにやってきた事のつけが回ってきた。
そうとしか言いようがなかったが、このままでは五作は罪に問われ、死罪を言い渡されてしまう。
何としてでも五作を救わねばならない。
どうすべきか、必死に頭を巡らせて考えた。

「江衛門、俺はお美代ちゃんと五作を連れて町へ帰る、先にお美代ちゃんを長屋へ送り届け、その後で五作を連れて奉行所に行く、自訴なら罪を軽くする事ができるかもしれねぇ、そこで事と次第を話し、親父の悪行を洗いざらい喋る、江衛門、あんたは仲間と手分けして、店の者や村の人間も……、可能な限り署名を集めてくれ、それで嘆願書を作り、奉行所に提出して欲しい」

弥八郎は思いつく限りの手立てを口にする。

「ああ、それは妙案だ、わかった、拙者の知人を通せば話が通りやすい、吟味方与力だからな」

江衛門はいい考えだと思い、知人の役職を明かした。

「おお、そりゃ心強ぇ、それじゃ頼む、五作、分かったな、俺と共に行こう」

それを聞いて弥八郎は表情を明るくし、五作に声をかける。

「わかった」

五作はすんなり頷いた。
自分には難しい事はなにも分からない。
弥八郎の言う通りに従うだけだ。

「で、郷田屋は……、後は役人に任せるか」

江衛門は立ち上がって言った。

「ああ、野盗が出るかもしれねぇ、めぼしい物は抜いていく」

弥八郎は肩がズキズキと痛んでいたが、今はそれどころではない。
彦兵衛の懐を探り、財布や金目の物を抜き去ったが、手に握られた銃も奪った。
自分の怪我と銃、この2つがあれば正当防衛の証拠になる。
弥八郎はそれらを持ってお美代と五作をひき連れ、来た道を戻って行き、江衛門はそこから一番近場にある仲間の拠点へ向かった。




/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ