この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女喰い
第7章 助け舟
一方、お美代は長屋にひとりでいた。
彦兵衛には散々な目にあわされたが、五作によって呆気なくこの世を去った。
これでもう町奴が襲ってくる心配はない。
晴れて自由の身だ。
お菊の事は本当に気の毒に思うが、今後は同じ目に合う人間もいない。
但し、五作はその為に犠牲になったようなものだ。

とっくに日が暮れていたが、お美代は灯りもつけずに座敷に座っていた。

暫く経って江衛門が戻ってきた。

「拙者だ、遅くなってしまったが、今戻った」

江衛門は戸口を開けて真っ先にお美代を探した。
すると、お美代は真っ暗な座敷に座っている。
心配になって声をかけた。

「お美代ちゃん、大丈夫か? 」

「はい、わたしは大丈夫です、それより五作さんが……」

お美代は五作の身を案じ、気が気ではなかった。

「大丈夫だ、俺の仲間が動いてる、それに俺も早速知人に会ってきた、きっと死罪は免れる、そのーところで……郷田屋は死んだ、町奴もこれで襲ってはこないだろう、拙者は……ねぐらに戻ろうと思うんだが」

江衛門はちょっと気が早いのでは?と思いつつ、言いにくそうに切り出した。
用心棒の役目は不要になったからだが、江衛門が元々いた商家紛いな家は、旗本奴のアジトだ。

「あの……、ご迷惑でなければ……今しばらくここにいてくれませんか? 」

お美代は五作の事が心配で不安に押しつぶされそうだった。
五作がどうなるか、すぐにはわからない。
その間、ひとりきりで過ごすのは耐えられそうになかった。

「五作の事で不安なのか? 」

江衛門もすぐに想像がついた。

「はい……」

お美代は膝に置いた手を握り締めて頷く。






/133ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ