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女喰い
第5章 淫欲に塗れる中で……。
月日は流れ、お菊はとうとう子を産み落とした。
彦兵衛はお産は不浄だと言って、蔵の中で子を産ませた。
お美代は当時知らなかったが、タミコも同じだった。
生まれたのは男の子だ。
お美代は会いに行きたかったが、彦兵衛に会うことを禁じられた。
彦兵衛は蔵の前に番人まで置いている。
どうにもならないままに、出産から20日あまりが過ぎていった。
自ずと暗い顔になり、元気がなくなってきた。
五作はそんなお美代を見ていたたまれなくなった。
「お美代、お菊の事が心配なのか?」
たまたまお美代とすれ違った際に、思い切って声をかけてみた。
「うん……」
お美代は力なく頷いた。
「おらが見てきてやる」
五作はお美代の力になりたかった。
「でも、番人がいるから」
「大丈夫だ、食事を運んだりするのはおら達がかわりばんこにやってる、おらは言われてないが、他の人に話してみる、代わってくれるかもしれない」
「いいの? 」
お美代は期待していたが、遠慮がちに聞いた。
「ああ、おらは頭が悪い、だから皆おらの事を信用する」
五作は卑下して言ったわけではなく、そのまんまを素直に言っただけだ。
「うん、そうしてくれたら助かる、あの、だったらわたし手紙を書くから、お菊ちゃんに渡して欲しい」
お美代は手紙を書いて五作に届けて貰おうと思った。
「わかった」
五作は頷き、早速年長の下男に話をしてみる事にした。
彦兵衛はお産は不浄だと言って、蔵の中で子を産ませた。
お美代は当時知らなかったが、タミコも同じだった。
生まれたのは男の子だ。
お美代は会いに行きたかったが、彦兵衛に会うことを禁じられた。
彦兵衛は蔵の前に番人まで置いている。
どうにもならないままに、出産から20日あまりが過ぎていった。
自ずと暗い顔になり、元気がなくなってきた。
五作はそんなお美代を見ていたたまれなくなった。
「お美代、お菊の事が心配なのか?」
たまたまお美代とすれ違った際に、思い切って声をかけてみた。
「うん……」
お美代は力なく頷いた。
「おらが見てきてやる」
五作はお美代の力になりたかった。
「でも、番人がいるから」
「大丈夫だ、食事を運んだりするのはおら達がかわりばんこにやってる、おらは言われてないが、他の人に話してみる、代わってくれるかもしれない」
「いいの? 」
お美代は期待していたが、遠慮がちに聞いた。
「ああ、おらは頭が悪い、だから皆おらの事を信用する」
五作は卑下して言ったわけではなく、そのまんまを素直に言っただけだ。
「うん、そうしてくれたら助かる、あの、だったらわたし手紙を書くから、お菊ちゃんに渡して欲しい」
お美代は手紙を書いて五作に届けて貰おうと思った。
「わかった」
五作は頷き、早速年長の下男に話をしてみる事にした。