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女喰い
第5章 淫欲に塗れる中で……。
それから2日後に、五作はお菊に食事を届ける事になった。
お美代から手紙を預かっている。
五作は料理が乗った膳を持って蔵へ足を運んだ。
番人は柄の悪い男だった。
「食事か?」
五作をジロっと見て聞いた。
「はい、そうです」
「よし、入れ」
五作が返事をすると、番人は蔵の扉を開けた。
頭を下げて中へ入ると、隅に畳が敷いてあり、そこにお菊が布団を敷いて寝ていた。
五作はお菊のそばに歩いて行き、膳を畳の上に置いたが、赤ん坊はお菊のわきに寝かされている。
「ああ……、五作さん、食事?」
お菊は目を開け、ゆっくりと起き上がって聞いた。
「そうだ、食べろ、精をつけて早く元気になるんだ」
五作は青白い顔を見て食事を食べるように促した。
「うん……、ありがとう、お美代ちゃんは元気にしてるかな」
お菊は微かな笑みを浮かべ、お美代の事を口にする。
「あっ、ああ……、ちょっと待って」
五作は慌てて懐を探り、お美代から預かった手紙を出した。
「これ、お美代から預かった」
すぐさまそれをお菊に差し出す。
「お美代ちゃんから……」
お菊は手紙を受け取り、早速書を広げて読んでみた。
そこにはお菊の事を心配する心情が切々と綴られていた。
「お美代ちゃん……」
お菊は片手で口元を押さえ、涙ぐんでいる。
「お菊……」
五作には細かな事は分からなかったが、お菊がやつれた様子で涙ぐむのを見たら、自ずと不穏な空気を感じるのだった。
そうするうちに赤ん坊が泣き出し、お菊は目元を拭って赤子を抱き上げた。
するとその時、蔵の扉が開いて誰かが入ってきた。
まっすぐに五作の方へ歩いてきたが、お菊は手紙を素早く隠した。
「五作、お前か」
お美代から手紙を預かっている。
五作は料理が乗った膳を持って蔵へ足を運んだ。
番人は柄の悪い男だった。
「食事か?」
五作をジロっと見て聞いた。
「はい、そうです」
「よし、入れ」
五作が返事をすると、番人は蔵の扉を開けた。
頭を下げて中へ入ると、隅に畳が敷いてあり、そこにお菊が布団を敷いて寝ていた。
五作はお菊のそばに歩いて行き、膳を畳の上に置いたが、赤ん坊はお菊のわきに寝かされている。
「ああ……、五作さん、食事?」
お菊は目を開け、ゆっくりと起き上がって聞いた。
「そうだ、食べろ、精をつけて早く元気になるんだ」
五作は青白い顔を見て食事を食べるように促した。
「うん……、ありがとう、お美代ちゃんは元気にしてるかな」
お菊は微かな笑みを浮かべ、お美代の事を口にする。
「あっ、ああ……、ちょっと待って」
五作は慌てて懐を探り、お美代から預かった手紙を出した。
「これ、お美代から預かった」
すぐさまそれをお菊に差し出す。
「お美代ちゃんから……」
お菊は手紙を受け取り、早速書を広げて読んでみた。
そこにはお菊の事を心配する心情が切々と綴られていた。
「お美代ちゃん……」
お菊は片手で口元を押さえ、涙ぐんでいる。
「お菊……」
五作には細かな事は分からなかったが、お菊がやつれた様子で涙ぐむのを見たら、自ずと不穏な空気を感じるのだった。
そうするうちに赤ん坊が泣き出し、お菊は目元を拭って赤子を抱き上げた。
するとその時、蔵の扉が開いて誰かが入ってきた。
まっすぐに五作の方へ歩いてきたが、お菊は手紙を素早く隠した。
「五作、お前か」