この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女喰い
第5章 淫欲に塗れる中で……。
五作はドキドキしながら草木の陰に身を潜め、姿勢を低く保って歩きながら番人の様子をうかがっていた。
暫く歩いた所で、番人は不意に足をとめ、しゃがみこんですぐに立ち上がった。
腕に赤ん坊を抱いてない。
赤子は地面に置かれた……。
という事は、赤ん坊は捨てられた。
五作が考えていると、番人はキョロキョロと周りを見回し、五作とは反対方向に走り出した。
この辺りは山犬や熊、イノシシが出没する。
このままだと、赤ん坊は獣達の餌食になるだろう。
五作は赤ん坊に歩み寄り、か弱い声で泣きじゃくる赤ん坊を拾いあげた。
それから、少し考えた後で決心したように歩き出した。
自分の身を盾にして、生い茂る草木から赤ん坊を守り、ひたむきに突き進む。
無心に歩くうちに獣道を抜け、人が通る細い道に出た。
目の前に急な坂道があるが、赤ん坊をしっかりと抱き直して坂を登った。
息を切らして上に辿り着くと、そこには寺の門がある。
周りを見たら人気はない。
こっそりと門を開けて中に入ると、手入れされた庭が広がっている。
五作は本堂に向かって少しばかり歩き、綺麗に剪定されたツゲの木のそばで立ち止まった。
ツゲの木の傍らには低い平石がある。
しゃがみこんで平石の上に赤ん坊を置いた。
「生き抜くんだぞ」
赤ん坊に一言言って立ち上がり、踵を返して来た道を戻って行った。
徐々に遠くなる泣き声……。
五作は罪悪感に駆られ、自然と走り出していた。
門から外に出たら、坂道を転がるように走り続けた。
暫く歩いた所で、番人は不意に足をとめ、しゃがみこんですぐに立ち上がった。
腕に赤ん坊を抱いてない。
赤子は地面に置かれた……。
という事は、赤ん坊は捨てられた。
五作が考えていると、番人はキョロキョロと周りを見回し、五作とは反対方向に走り出した。
この辺りは山犬や熊、イノシシが出没する。
このままだと、赤ん坊は獣達の餌食になるだろう。
五作は赤ん坊に歩み寄り、か弱い声で泣きじゃくる赤ん坊を拾いあげた。
それから、少し考えた後で決心したように歩き出した。
自分の身を盾にして、生い茂る草木から赤ん坊を守り、ひたむきに突き進む。
無心に歩くうちに獣道を抜け、人が通る細い道に出た。
目の前に急な坂道があるが、赤ん坊をしっかりと抱き直して坂を登った。
息を切らして上に辿り着くと、そこには寺の門がある。
周りを見たら人気はない。
こっそりと門を開けて中に入ると、手入れされた庭が広がっている。
五作は本堂に向かって少しばかり歩き、綺麗に剪定されたツゲの木のそばで立ち止まった。
ツゲの木の傍らには低い平石がある。
しゃがみこんで平石の上に赤ん坊を置いた。
「生き抜くんだぞ」
赤ん坊に一言言って立ち上がり、踵を返して来た道を戻って行った。
徐々に遠くなる泣き声……。
五作は罪悪感に駆られ、自然と走り出していた。
門から外に出たら、坂道を転がるように走り続けた。