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女喰い
第6章 弥八郎
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翌日になり、彦兵衛と共にあの茶屋にやって来た。
暖簾をくぐると、店番をする男が帳場に座っていたが、彦兵衛は男に金を払って草履を脱いだ。
お美代も後に続いて草履を脱ぎ、上がり口に上がって奥の座敷へ歩いて行った。
彦兵衛が襖を開けて中に入り、お美代も入ったが、また見知らぬ男が座っている。
「ああ、待っていたよ」
男は彦兵衛より少し若く見えるが、身なりから商人のように思えた。
「お美代、今日はな、わしとこの客人、2人を相手にして貰う」
彦兵衛は当然のように言った。
「え、でも……」
お美代は驚きはしたが、彦兵衛の考えそうな事は大体わかる。
それよりも、お腹に子がいるのに2人を相手にするのは無茶だ。
「なにを戸惑っている、お前は絵師に抱かれて喜んでいたではないか、さ、裸になるのだ」
彦兵衛は羽織を脱いで衝立にかけると、お美代の帯に手をかける。
「あの、ですが……お腹に子がいるのに」
お美代は訴えたが、彦兵衛は手早く帯を解いて着物を脱がせにかかる。
「大丈夫だ、さあ、客人が期待して見ている、見せてあげなさい」
彦兵衛は着物をわきへ放り、襦袢を脱がせにかかった。
「旦那様……」
お美代は彦兵衛の尽きぬ欲望に落胆していたが、スルスルと剥かれて客人の前に裸体を晒した。
「ほお、これはまた……なんとも言えませんな」
客人は目の前に立つお美代の裸をじっくりと見た。
「そうだろう、わしがここまで育てあげたのだ、丸屋さん、さ、これを」
彦兵衛は懐からなにか出して客に渡したが、それは媚薬の軟膏だった。
「おお、これが噂に聞く媚薬ですか」