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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第15章 自由
 アンジェラは緊張した表情を緩め、ホッとした表情を見せると、彼女の体調を伺った。その表情と声色には、少し憤りが感じられる。

「体調はいかかでしょうか? 身体のご負担が残っているのにもかかわらず、時間も置かずに……あの方はまったく……乱暴にはされてはいませんか? また縛られ……」

「そ、そんなことはっ、ありま……せん……から」

 きわどい発言を遮るように、フィーネは慌てて言葉を重ねた。そう言いつつも、顔がみるみるうちに熱をもつ。

 アンジェラに何をしていたのか知られていると分かり、身もだえしたくなるほどの恥ずかしさが襲った。

 まあ乱れた姿で眠りこける姿の見たら、誰だって何があったか分かってしまうだろう。それなのに眠ってしまった過去の自分を責めながら、フィーネはそれ以上何も言えなくなった。
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