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Q 強制受精で生まれる私
第9章 3.5度目
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時刻は正午過ぎ…だと思う。
カーテンが燃えるのではないかと思う程の強烈な木漏れ日が照らす部屋の中で、私は寝ているのか起きているのか見当がつかない微睡みに悶えていた。
昨日の激しいストレスのせいだろうか。身体が鉛を詰められたかの様に重く、何もかもが気だるい。言葉にするのであれば『しんどい』という簡素な一言で片付く状態だけど、それにしては負荷が大きい気がする。
安らぎを求めて寝返りを打つも、すぐに落ち着かなくなって元の位置に寝返る。シーツのシワが絶えず波打つのが私の落ち着きの無さを如実に表していた。
長いことそうして悶え苦しんでいたが、だんだんと身体が、いや脳が何を欲しているのか理解が追い付いた。一度解ってしまえば何のことはない、身体からの絶え間ないメッセージ。私はその要求通り、左手を鈍い三日月型に縁取られているパジャマの所までゆっくりと這わせていく。
先端の布地に辿り着くと、おずおずと下から上へとひとなぞりする。瞬間、ピリリとした弱い静電気に似た刺激が身体を駆け巡る。私の脳はこれを良しとしたのか、ごく一般的な静電気と違って避けることなく刺激を受け続ける。やがてそれも慣れてきてしまい、物足りなくなった私は半ば無意識にズボンを膝上まで降ろし、ショーツの中に指を滑り込ませる。カタツムリの様な二本の触覚はより深い暗闇を目指して、ひだ状の穴蔵へと迷うことなく入り込んでいく。
「あっ…」
僅かな指間接の動きによる蠕動運動が私の中をくすぐる。暗く狭い穴の中をどうにか奥に進もうと、じたばたと暴れながらくぐり抜けようとする。それでも奥に入れないと悟ると、指は一度元来た道を戻るかの様に後ろに下がり、勢いをつけて再び入り込むことを繰り返す。その度に四方に散りばめられているスイッチが押され、微弱な情報が発せられる。中でもぞもぞとうごめく度に倍々に増えるデータを、脳は色に置き換えて私を塗り潰していく。
「あう…そこ、だけ…ど…」
生暖かい吐息と共に漏れる黄色い声が、私の理性をよそに呟かれる。目的は既に達成したはずなのに、未だに身体からの指令は止まることはない。それどころか徐々にエスカレートして、早く満たせと私を責め立てる。髪の先から爪先まで桃色に染め上がった私に、身体からのノルマを達成する術はたったひとつしか残されていなかった。
時刻は正午過ぎ…だと思う。
カーテンが燃えるのではないかと思う程の強烈な木漏れ日が照らす部屋の中で、私は寝ているのか起きているのか見当がつかない微睡みに悶えていた。
昨日の激しいストレスのせいだろうか。身体が鉛を詰められたかの様に重く、何もかもが気だるい。言葉にするのであれば『しんどい』という簡素な一言で片付く状態だけど、それにしては負荷が大きい気がする。
安らぎを求めて寝返りを打つも、すぐに落ち着かなくなって元の位置に寝返る。シーツのシワが絶えず波打つのが私の落ち着きの無さを如実に表していた。
長いことそうして悶え苦しんでいたが、だんだんと身体が、いや脳が何を欲しているのか理解が追い付いた。一度解ってしまえば何のことはない、身体からの絶え間ないメッセージ。私はその要求通り、左手を鈍い三日月型に縁取られているパジャマの所までゆっくりと這わせていく。
先端の布地に辿り着くと、おずおずと下から上へとひとなぞりする。瞬間、ピリリとした弱い静電気に似た刺激が身体を駆け巡る。私の脳はこれを良しとしたのか、ごく一般的な静電気と違って避けることなく刺激を受け続ける。やがてそれも慣れてきてしまい、物足りなくなった私は半ば無意識にズボンを膝上まで降ろし、ショーツの中に指を滑り込ませる。カタツムリの様な二本の触覚はより深い暗闇を目指して、ひだ状の穴蔵へと迷うことなく入り込んでいく。
「あっ…」
僅かな指間接の動きによる蠕動運動が私の中をくすぐる。暗く狭い穴の中をどうにか奥に進もうと、じたばたと暴れながらくぐり抜けようとする。それでも奥に入れないと悟ると、指は一度元来た道を戻るかの様に後ろに下がり、勢いをつけて再び入り込むことを繰り返す。その度に四方に散りばめられているスイッチが押され、微弱な情報が発せられる。中でもぞもぞとうごめく度に倍々に増えるデータを、脳は色に置き換えて私を塗り潰していく。
「あう…そこ、だけ…ど…」
生暖かい吐息と共に漏れる黄色い声が、私の理性をよそに呟かれる。目的は既に達成したはずなのに、未だに身体からの指令は止まることはない。それどころか徐々にエスカレートして、早く満たせと私を責め立てる。髪の先から爪先まで桃色に染め上がった私に、身体からのノルマを達成する術はたったひとつしか残されていなかった。