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Q 強制受精で生まれる私
第11章 4.5度目
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 翌日。私は汗だくで気だるい体で日が見えない朝を迎えた。風邪を引いてしまったのか、体はジリジリと熱いのに悪寒が止まらない。

 ただの風邪じゃないのか、みるみる内に体調が悪くなっていき、息が喘息みたいに荒くなる。そんな状態でも目の前の扉だけは開けないと昨日誓っていた。

 昨日はずっと寝ていた訳じゃなく、途中トイレの我慢ができなくて一度だけ部屋を出た。尿意から解放された私は小部屋に戻る途中、ガラクタが散らばるリビングから月光が顔を覗かせていることに気付いた。時間の感覚が無くなった私は、そこで初めて今が夜であることを知った。

 気付いたのはそれだけじゃなかった。数時間前までは温かったであろう一汁一菜、いや複菜がラップがけされて、ドア近くに置かれていた。『明日の朝、もう一度来ます。』という書き置きと共に置いてあるそれは、宣言通りあの男がここに来たことを意味していた。

 二度と来るなと言ったのに、あの男は私が寝ている間に侵入してきていた。もし鍵をかけていなかったら、部屋から出ていたら、トイレに行くのがもう少し早かったら…あの男と鉢合わせしてこの身を汚されていたと思うと発狂しそうになった。

  私は怒りに任せて食事を玄関に放り投げ、すぐに小部屋に入り鍵を閉めた。あいつが用意した食事だ。危ない薬が盛られているに決まっている。誰も助けてくれないなら、もう何があってもこの部屋から出ない。出るときは憎いあいつを殺す時だけだ…そう覚悟を決めた後の翌朝のことだった。

 視界がどんどんぼやけていき、意識が朦朧とする。苦しい…息しているだけでも肺がはち切れそう…もう少ししたら、このまま一人寂しく死ぬんじゃないか…そう思った時、コンコンという軽いノックの音が聞こえる。
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