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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
「…何よ。いきなりそんな情緒不安定みたいになって。元カノにそんな未練抱いているようじゃ、この先モテないから止めた方がいいよ? 別に誰と何しようが私の勝手だし、それに…」

 ミイラ女は声のトーンを落とした次の瞬間、先生を冷酷な瞳で射抜く。その瞳や溢れるオーラに激しい怒りが込められている。

「その名前で呼ぶのはやめて。」

「…ごめん。悪かった。」

 先生は鋭いピンで体を貫かれた虫のように、しばらくの間女の眼光の前に身じろぎするも、全てを諦めたのか標本の昆虫のように大人しくなる。にも関わらず虫の居所が悪いのか、女はその顔にまとわりつく白線のもやを激しく蠢かせながら元カレらしい男を許さない。

「その名前、嫌いだから呼ばないでって私何度も言ったよね? 仮にも長い付き合いなのにどういうつもり?」

「その…悪かったって。心配で気が昂ってつい出ちゃっただけで、悪気は無いんだ。悪気は無いんだが…君もいつまで自分の名前に嫌悪を抱き続けるんだ? 世間は君が思っている程気にしていないし、親しい間柄なんだから名前で呼びたいよ。」

「そうよね。女の子に『ほと』ぎなんて名前、あまりにイカれた名前で呼びたくもなるよね。私がどれだけこの名前でバカにされて…人生メチャクチャにされたかも知らないくせに!! 両親もまーくんと同じこと言ってたよ。たかが名前ごときで騒ぐなって。これのせいで私が受けてきたこともろくに知らないくせに、さも分かっているかのような口利かないでよ!!」

「何だよその言い方…俺はただ昔みたいに仲良くしたいだけなのに…そんなに嫌なら改名くらいすればいいだろ!?」

 さすがの先生も目の前の理不尽女に不満の感情を露にする。というか、この先生は私が知っている先生よりも感情が表に出ている気がする。

 私の知っている先生はいつも気持ち悪い爽やかな笑顔を浮かべながら、私の言う事なす事をひょうひょうとかわすような人だ。それがあろうことか、この女の前では心乱されて人間らしい本心そのものが前面に出ている。そんな先生と私の知らない先生を引き出せるこの女が激しく不愉快であり、憎らしくさえ思える。
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