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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
 先程から赤ん坊のイメージばかり浮かび上がっていることにふと気が付いた私は、おもむろに手を下へ下へと伸ばしていく。

 花芯二歩手前の所で手を止め、一定のリズムで大きく膨らんでは萎んでいく風船の表面を優しく撫でる。一回、また一回と擦っては指を食い込ませてみたり、揺さぶったりして傷付けないように中の具合を確かめる。だけど専門家でも無い私には、手触りだけでは中がどうなっているか何も分からなかった。

 ずっしりと重いような、思っていたよりも軽いような。
 ぎっちりと詰まっているような、スカスカのような。
 あれだけされて何もできていないのか、あまりに小さすぎて気付けないのか。

 …それとも、もう出ていってしまった後なのか。
 
 目をつむりどれだけ意識を注意深く向けても、どちらともつかない感触ばかりで歯がゆい想いが募っていく。そこに自分の心音が加わり余計にその存在が分からなくなってしまう。注意深く探ろうとすればするほど心臓は緊張を増してそのボリュームを上げていき、集中力の限界を迎えた私は高鳴る心臓に息苦しくなって子供の有無を探るのを諦める。

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