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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
胸を擦りながら手のひらで心臓がどくんどくんと力強く跳ねる感覚を堪能する。不整脈かと疑ってしまうほどに幾重にも重なる肉や骨を押し返す鼓動に、私は自分が生きていることを痛感する。昨日まで半ば死んだような気分でいたのが嘘のように、今の私は生に満ち溢れている。
常識的に考えれば、死者が動くことも嘆き悲しむことも現実ではあり得ない。だから今までの私も生きていて当然なのだが、どういう訳か私は今日を持って生を受けたような高揚感に包まれていた。
おそらくあの夜、私はあのまま命の爆発に巻き込まれて死んだのだ。それから何の因果か知らないけどこうして生き返った。滅茶苦茶な理論だとは思いつつも、そうとしか思えなかった。そうでなければ私をずっと生かし続けていた心臓がこんなに重く苦しく、心地よい訳がない。敏感なのはまだそれに慣れるまで経験をしていないからに違いないのだ。
高鳴る鼓動は徐々に落ち着きを取り戻し、クールダウンしていく身体に気だるさが募り始める。さっきまで寝ていたはずなのにまた眠りに落ちてしまう様は赤ん坊そのものだ。しかし快感で動くこともできず、ゆっくりと目蓋を落とそうとする睡魔に抗うこともできないのではどうしようもない。私は抵抗することなく二度寝を少しずつ受け入れていく。
霞がかっていく意識の中。
お腹の中の子供のことばかり考えていたからだろうか。私自身が子宮の様な空間に取り込まれているイメージがぼんやりと沸き上がってくる。
子宮の中は羊水らしき水で埋め尽くされており、息苦しい私は呼吸しようとしてその水を次々と胃に流し込んでいく。それらは全て先生の香りがし、加速度を増してはち切れんばかりに膨らんでいく水っ腹を何者かが針でつつく。
チクリとしたその瞬間、全てが真っ白になって…
常識的に考えれば、死者が動くことも嘆き悲しむことも現実ではあり得ない。だから今までの私も生きていて当然なのだが、どういう訳か私は今日を持って生を受けたような高揚感に包まれていた。
おそらくあの夜、私はあのまま命の爆発に巻き込まれて死んだのだ。それから何の因果か知らないけどこうして生き返った。滅茶苦茶な理論だとは思いつつも、そうとしか思えなかった。そうでなければ私をずっと生かし続けていた心臓がこんなに重く苦しく、心地よい訳がない。敏感なのはまだそれに慣れるまで経験をしていないからに違いないのだ。
高鳴る鼓動は徐々に落ち着きを取り戻し、クールダウンしていく身体に気だるさが募り始める。さっきまで寝ていたはずなのにまた眠りに落ちてしまう様は赤ん坊そのものだ。しかし快感で動くこともできず、ゆっくりと目蓋を落とそうとする睡魔に抗うこともできないのではどうしようもない。私は抵抗することなく二度寝を少しずつ受け入れていく。
霞がかっていく意識の中。
お腹の中の子供のことばかり考えていたからだろうか。私自身が子宮の様な空間に取り込まれているイメージがぼんやりと沸き上がってくる。
子宮の中は羊水らしき水で埋め尽くされており、息苦しい私は呼吸しようとしてその水を次々と胃に流し込んでいく。それらは全て先生の香りがし、加速度を増してはち切れんばかりに膨らんでいく水っ腹を何者かが針でつつく。
チクリとしたその瞬間、全てが真っ白になって…