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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
「…おはようございます。」

 先生は私の存在に気づいていないのか、はたまた存在を認識しないようにしているのか、私に背を向けたまま親の仇かという程に新聞とにらみあっている。

 勘の鋭いこの人のことだ。十中八九後者に違いないと思い、私は「この頑固者。」と小さく悪態を付きつつ浴室へと進む。どれだけ話しかけても返事は返ってこないだろう。そんな気がした。

 温かい雨に打たれながら私は思案を巡らす。

 …居るんだったら起こしてくれれば良かったのに。
 …大人な行為は一方的にするくせに、紳士的な行為をするつもりは毛頭ないのね。
 …昨日あれだけ求めてきたくせに。用が済んだらいない者扱い? 身勝手な男。

 …そういえば、またあの女出てきたな。
 あれだけ出てくるなって言ったのに。

 しかも先生とかつての恋仲だったなんて…あんな適当すぎる理由で振る女も女だけど、あんなのにご執心な先生もどうかしている。しかもその傷を見ず知らずの女で埋め合わせしようとするなんて。先生が私を犯したのはその元カノとやらに似ているから? じゃあどうして今日になって全く反応を返さないの?

 飽きた? ヤることやってもう満足しましたか。そうかそうか。あーそうですか。最低な奴だとは思っていたけどそこまでクズでしたか。度しがたい程のクズ。クズ医者。クズ男。

 どうしてやろうかしら。
 というか私はどうしたいのだろう。
 ここまでの苛立ち。憤怒。何をすれば解消されるのだろう。

 何をすれば満足なのだろう…
 
 無意識にシャワーの温度を上げて、水流を最大限まで強める。火傷してしまいそうな熱湯の滝が脳天に打ち付けられるも、頭の中は沸々と沸き上がる怒りで一杯だった。ヒリヒリと肌を傷付ける痛みも、耳をつんざく雨音も今はその憤怒をぶちまけよと鼓舞するものにしか感じない。

 それらの演奏を止めるかの様に、蛇口を勢いよく閉める。

 嵐が止み、辺り一面の温かな霞と暖色の陽光をまといながら、髪の毛先一本一本の先端から水滴を垂らす私だけが取り残される。霧がかっているにも関わらず私を激しく照り付ける無機質な太陽は、まるで神様の様に迷える子羊の私に啓示をくれる。
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