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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
「…挿れるの?」

「うん? 挿れるに決まっているだろ? 今更なに言ってるんだよ。そういう関係だろ、俺達。」

 そう言われるとそうねと納得してしまう。人違いとはいえ、一方的だったとはいえ、私達の関係でこれ以外に何かあるかと言われたら何も思い付くものは無かった。ハッピーエンドの後はラブセックスと相場が決まっているとはいえ、私もこの人も酷く単純で面白味にかける、つまらない人間だなと思ってしまった。

「あぁ、ほとぎ…早く挿れたい…イカせて、その中におもいっきり精をぶちまけたいよ…」

「…そんなに嬉しい? 」

「当然さ。君が戻ってきたことがこんなにも悦ばしいことなのに。君だってやっと君自身を取り戻せたんだ。もっと喜んだらどうなんだ。」

 この人は一体さっきから何を言っているのだろう?
 私は『最初から』ここにいるというのに、何をさも嬉しそうに世迷い言をぬかすのだろう?

 私があんなくだらない略称を呼んだから?
 刺々しかった態度が少し丸くなったから?
 お伽噺に出てくる、悲劇のヒロインの救世主になれたから?


 私はただ…この人に…


「なぁお願いだ、ほとぎ。もうお預けはごめんだ。もう一度。もう一度その体を堪能させてくれ。今度は…今度こそは満足させてあげるから…」

 幾度となく私を堕としてきた毒針がふるふると震えながら膣口をかき分け、つぷりと中に侵入し始める。まだ数センチしか挿入ってないというのに、この身体に散々刻み込まれてきた記憶の数々が条件反射を起こさせるのか、無意識で体を仰け反らせてしまう。

「止めて…まだ、良いって言ってない。」

「もう、待てるかよ。」

 私の許可なく針は注射され、ずりずりと肉をかき分けて奥に侵入してくる。何の前戯もなく挿入されたにも関わらず、この身にかけられた呪いのせいか、私の体はぬるぬるとした感触で先生の身勝手な快楽を迎え入れてしまう。
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