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Q 強制受精で生まれる私
第14章 5...? 度目
「久しぶりに、凄いのが出そう…全部、ひとつ残らず、受け取って…」

「来ちゃダメ…出しちゃ…あぁっ!!」


 余程私の膣内が気持ちよかったのか。
 今までとは比べ物にならない量の精液が、私の中に吐き出される。

 どくんどくんと排出される度にピクピクと痙攣し、その力強さに驚いてか膣内が萎縮してしまう。先生の歪んだ愛を受け入れるには容量が足りないのか、そもそもこんな物受け入れるまでも無いのか、その多くが役目を果たすことなく浴槽へと漏れ出していき、綿毛の様に小さいクラゲとなって漂い始める。

「あぁ…出てる…出されてるぅ…ダメって言ったのに…」

「あぁ…夢のようだ。この快感。この温もり。天にも昇れそうな高揚感…全て君のおかげだ。」

 先生は薬物でもキメてしまったかの様にだらしない表情で恍惚に浸り続けている。快楽物質漬けの人間が放つ麻薬に等しい分泌液を体内に注入されせいか、明滅するトリップ感が意識を埋め尽くしていく。浮遊感を得た白昼夢みたいな私は雌としての確かなエクスタシーを感じ取りつつも、その心内では虚無がじわじわと芽生え始める。

 この人が自慢気に言っていた最も気持ちいいことも、私が最も欲しがっている物も、全て私にとっては期待外れはおろか無価値に等しいものだった。少しでもこの人の気を引けば容易く手に入ると思っていた物は、全くの別物に成り下がり、押しに押されて言いたいことも言えず、その上ちょっとした生理現象しか得ることができない…あんな下らない嘘を付いた所で、何ひとつ救われることなんて無かったのだ。

 一体、私はどうすれば満たされるのだろう。

 昔みたいに…出逢ったばかりのあの時みたいな日々に、今の私ではもう戻ることはできないのだろうか。

 救われたあの夜。私の中に確かに芽生えたこの感情を持ってしまった以上、これから先ずっと独り寂しい気持ちを抱えて生きなければならないのだろうか。

 計画された洗脳の結果かもしれない。
 現実逃避による盲信かもしれない。

 それでも。それでもこれだけは確かな気持ちとして存在している、私の本当の気持ち。


 先生…貴方は私を…


 私の存在を、生を、認めてくれますか…?

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