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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
「…張っているのは意地だけじゃないみたいですね。」

 下着姿のまま先生に近づき、避けられないようにがら空きの胸に体当たりする。不安定な精神下でも気丈さ溢れる背筋は私がぶつかった程度では折れることはなく、先生の胸の中にすっぽりと収まる。薄着一枚の臍下をぐいっと固い突起物が押し上げる。幾重にも重なる布地が無かったらそのまま内部まで深く突き刺さっていたと思うと、骨の髄までぞわりと震えだす。

「おい!! 何のつもりだ!? 」

「あまりにもお似合いすぎて、勃っちゃいました? 駄目ですよ。いくら性癖に合ってるからって、これからお仕事って時にこんなに固くしてちゃ。セクハラで訴えられちゃいますよ?」

 腕を回して先生を絡め取ると、右手を下方へと伸ばして火照る煙突を剥き出しにする。朝一番のすす払いを済ませていないのか、煙突は外套を取り払うと同時に天に向かって起立し、すぐに放出させろと訴えかける。

 見ず知らずの女を襲う程に性欲の強いこの人のことだ。あんなうじうじと弱った態度を取っておきながら、本心ではいつも通りスケベだったのだろう。バレバレにも関わらず、ひた隠しにしていた秘密を暴かれたと思っていそうな先生は、ばつが悪そうにしかめっ面で己の化身をにらみつける。

「止めろ…お前なんかとそんなことするつもりは、あくっ…」

「お前なんかと、って他に宛があるんですか? まさか、今日診察に来る患者さんとするつもりですか? 私の方が先約なのに、それは困りますよ。」

 男の力を駆使して私を無理やり引き剥がそうとする先生を、私はきゅっと弱点を掴むことで大人しくさせる。握るだけで蕩け声を漏らす先生は、そのまま上下に擦れば擦る程その声を大にして縮こまっていく。薄皮の裏に隠されていた複雑な隆起や凹凸を手指で堪能しつつ、先生の抵抗力が失せたことを見届けた私は、腰を屈めて手からの情報のみで頭一杯に想像を膨らませた形とご対面する。

 見事な剃り具合に、思わず息が漏れる。生暖かいそよ風が先生の肉竿に当たり、びくびくとすくむ先生の体に呼応してプルプルと震えだす。まるでトンボを捕まえるかのように不規則な弧を描くそれは、催眠術の様に人間の私でさえその先端に止まりたい衝動に駆られる。
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