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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
「おい…何してるんだ?」

「何って見れば分かるでしょう? 電話しているに決まっているじゃないですか。私、フラれちゃったし。残念だけど次の居場所を探さないと。」

 コール音が鳴り始めて数秒もしない内に、いつぞやお世話になったマオちゃんと繋がる。今時の若い子らしく軽い子だと思っていたのに、知らない番号にも関わらずちゃんと出た上に、「もしもし。鈴木です。」と丁寧な挨拶をするものだから、意外としっかりしているなと感心してしまった。私は自分だということと、この前は挨拶をせずに帰ってしまってごめんなさいと伝え、用件を切り出す。

「あの、私またこの前の続き…そう、援交…したいんだけど、一緒にできないかな? …うぅん、お金の問題じゃなくて、ちょっとスッキリしたいなっていうか…」

 視界の端で唖然とする先生の顔を捉えつつも、私はそんなことはお構い無しにマオちゃんをだしに先生を挑発する。嫉妬心を最大限まで駆り立て、極上の餌とあからさまな釣り針を垂らして獲物が襲い掛かるのを心待ちにする。

「前とは違う人? 私は全然いいよ…うん、平気。だって私、セックス好きだから。してくれるなら誰でもいい…うん、じゃあ駅前でまち、あむぅっ!!」

 突如顎を掴まれ、唇を奪われ口を塞がれる。噛みつくようなディープキスと同時に肺を握りつぶすように胸を揉みしだき、私は受話器を放り投げて窒息感を求めて抱き返す。背後でガチャンという心臓に悪い音がした。マオちゃんには悪いことをしたなと思いつつも、用済みな彼女のことは強過ぎる憎悪を前に消え失せた。

「何だ今の…援交か!? 前とは違う!? いつ他の奴と浮気した!? 吐け!! 吐けよ!!」

「いつって、治療はもうしないって追い出した時に決まっているじゃないですか。まさか他の人とはしないとでも思っていたんですか? 傷心で先生だけを求めて帰ってきたとでも? それはもう傲慢というやつですよ。」

 憤怒の火がついた先生に、もっと燃えろとガソリンを投下していく。想い人に嘘を付くことに後ろめたさを感じつつも、仕方ないよねと自分を慰める。

 だって、ここまでお膳立てしないとしてくれない頑固者なんだもん。
 射精したくて我慢できないくせに。あんなにがっついていたのに、今更ひよっちゃって。
 傲慢で、嫉妬深くて、本当にどこまでも、どこまでもどうしようもなく残念な人。
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