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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
その契約の証にと、私は彼の首筋に思いっきり吸い付き、誓いの証を付ける。薄紫色のリップ型の紋章に魅蕩れていると、彼も仕返しとばかり私の首筋に吸い付き、男らしい力強さで私の首筋を吸引する。ちゅぱっというねっとりとした音と共に彼の唇が離れていく。自分の姿は見えないけど、色濃い契約跡を付けられたことを彼の瞳に映る私の姿で察する。どこか諦めの淀みがあるその瞳に、あの女の姿はもう無かった。
「…あはっ。婚約成立、ですね。妊娠まで…確か一週間…楽しみですね。『あなた』。」
「…はっ。あは…あはははは!! そうか。そうかそうか…セックスしただけで、子を孕んだだけで俺の妻気取りか!! …もういいや。どうにでもなれ…壊してやるよ。望むままに」
過去を鎮圧し、これからの道を歩みだした私達はそれ以上言葉を発することなく、性器を繋げたまま互いの唇を重ね合う。相変わらず素直じゃない先生もキスしたい気分なのは同じらしく、私の口付けを拒むことなく受け入れる。息が切れる限界まで貪り合い、呼吸のために顔を遠ざける度に私達は透明な糸を吐く。糸はねばっこくお互いを繋ぎ、垂れては私達の身体にまとわり付く。
私達は何も考えることなく糸を紡ぎ、絡めとられていく。
それが自然だと言うように。
やがてそれは繭になり、私達だけの世界の中でどろどろに溶けて、ひとつになるのだ。
どこまでも。どこまでも。
「…あはっ。婚約成立、ですね。妊娠まで…確か一週間…楽しみですね。『あなた』。」
「…はっ。あは…あはははは!! そうか。そうかそうか…セックスしただけで、子を孕んだだけで俺の妻気取りか!! …もういいや。どうにでもなれ…壊してやるよ。望むままに」
過去を鎮圧し、これからの道を歩みだした私達はそれ以上言葉を発することなく、性器を繋げたまま互いの唇を重ね合う。相変わらず素直じゃない先生もキスしたい気分なのは同じらしく、私の口付けを拒むことなく受け入れる。息が切れる限界まで貪り合い、呼吸のために顔を遠ざける度に私達は透明な糸を吐く。糸はねばっこくお互いを繋ぎ、垂れては私達の身体にまとわり付く。
私達は何も考えることなく糸を紡ぎ、絡めとられていく。
それが自然だと言うように。
やがてそれは繭になり、私達だけの世界の中でどろどろに溶けて、ひとつになるのだ。
どこまでも。どこまでも。