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Q 強制受精で生まれる私
第7章 2.9度目
「仕事終わりなら一緒に帰らない? この辺街頭も全然ないから夜道怖いんだよね。」

「身の安全が気掛かりではありますが、大変申し訳ありません。私はこの後、この浜園と大事なお話がありますので…」

 一瞬先生が冷たい視線を私に投げ掛ける。いつも気色悪い微笑みを絶やさない人なのに、たった一瞬だけのその表情は背筋が凍りつく程の冷ややかな瞳をしていた。勝手にやってきた私を何もせずに返すつもりはないらしい。

 「せめて玄関まではお見送りしますよ。」と言って先生は女の子とドアの向こう側へ消えていく。彼女が去った後『治療』という名の凌辱が始まるのは明白だ。だけどいつもやられっぱなしの私じゃない。今の私には秘密兵器があるのだ。

 服の中に隠していた中古のビデオカメラ。これであいつの犯行の一部始終を撮影すれば、今度こそ牢獄行き間違いなしだ。

 私はドアが閉まるのと同時にビデオカメラを取り出して、先生にバレなさそうな本棚に隠すことを決める。所狭しと並んでいる本を一冊抜いて、斜めに立て掛けてできた僅かの隙間にカメラをねじ込む。本は古い学術書なのかカバーが黒一色のため、保護色となって上手くカメラを隠してくれる。これなら余程注意深く見ない限り見つけられる心配はないはずだ。

 私はカメラを起動させ、診察台がよく映っているのを確認してすぐに元の立っていた場所に戻る。その際抜いた本は棚の隙間の奥深くに蹴り入れた。ろくな治療をしないのだから一冊位無くなったって構わないはずだ。

 心臓が破裂するかという程、胸が苦しい。冷や汗も震えも抑えようとしても止まらない。緊張の糸が最大限まで張りつめられ、圧し殺さないと吐息までも漏れだしそうになるが、先生は女の子と世間話でもしているのか中々戻ってこない。

 私はまだ何かできるのではと思い辺りを見渡す。ふと机に置きっぱなしのタンポンが視界に入り、咄嗟に手に取って開封済みの中身を出してしまう。

 箱のイラスト通り本当に精子に似た形をしており、綿状の物がプラスチックのカバーに守られている様だった。後ろに突き出ているカバーを押すと中身が射出され、膣内に入れられると書いてある。これが今の私に何の役に立つのか分からないけど、持っておいて損はないはずだ。
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