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Q 強制受精で生まれる私
第7章 2.9度目
「それじゃなんであんなに親しげなんですか? 常連にしては凄いフランクだし…どうせあの娘ともしてたんでしょ!?」

「あはは、まさか。ああ見えて彼女は町で援交をしているような娘です。こうは言いたくありませんが、日々服用しないとやってられないほど肌を合わせている人とは怖くて交えませんよ。お体が心配なので性病の検査を何度も勧めているんですけど、いつもはぐらかされしまうんですよねぇ。」

 援交…援助交際のこと? それって確か法律違反なんじゃ…あんなに可愛い娘が? 突然のカミングアウトに頭が追い付かない。

「何、言ってるの…あなたそれ犯罪じゃない!! そこまで知ってて何で止めさせないの!?」

「例えまずいと分かっていても患者のプライバシーに干渉するのは医者として御法度ですからね。折角の若い身体ですから、有効に使っていると考えるべきなんでしょう…さて、質問には答えましたし、こちらの質問にも答えて頂きましょうか。」

 何かしらヤバいことをやっているとは思っていたけど、まさか援交の補助までしていたなんて。一体何故こんな奴に捕まってしまったのか、過去の私が憎らしくてしょうがない。

「あなたみたいな人に答える義理はありません。ここに来た理由なんて何だっていいじゃありませんか。あなたに関係ありません!!」

 先生の眉がピクリと動く。顔は相変わらず不気味な程にこやかだけど、その一瞬の挙動で怒っているのが分かる。

「何ですか。気に食わないんですか!? いつもみたいに難癖つけて治療でもなんなりすればいいじゃないですか!! いつも私の身体滅茶苦茶にして…このヤブ医者ぁ!!」

 私は思い付く限りの罵倒を次々に先生に浴びせる。何でもいい。とにかく先生が襲いかかってくるように仕向けられれば内容なんて何でもいいのだ。先生はただ何も反応せず、にこやかに押し黙っている。

 来い。そのまま手を出してこい。
 その時がお前の最期だ。

 来い。
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