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Q 強制受精で生まれる私
第9章 3.5度目
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あれだけはらわた煮えくり返った朝だったけど、それも真昼を迎える頃には喧騒でどこか遠くに押しやられてしまっていた。
あれだけのことをやった男でも世間の評判が良いのは事実らしく、診察と称して自ら体を差し出す愚か者達で病院内は溢れかえっていた。燻っていた怒りは次々と押し寄せるカモの群れに文字通り忙殺されてしまい、やっと思考に耽る余裕がでたのは閉院一時間前を切った所だった。
診察室の中で何が起きているのかは受付の席からは知るよしもないが、むせかえる性の匂いで充満しているであろうことは容易に想像できた。見ず知らずの私にあんなことをした男だ。蟻地獄だとも知らないで黙っていても向こうからハーレムを築きにやってくるのだから、何も無い訳がない。
物音ひとつ聞こえてこないドアの向こう側で私と同じ、いやそれ以上の凌辱を受けているに違いないと私は何度も心の中で呟く。そうじゃなきゃ私だけ貧乏くじばかり引かされていることになってしまう。そんなのはこの上なく嫌だった。
勿論私にだって良心という物はある。悲しむ人が増えることを望むよりも、これ以上の被害を出さないように行動を起こすのが遥かにポジティブな解決策だ。散々この身を汚された私だけど、自分の心まではアイツには汚させやしない。
いや、私だけじゃない。
世の全ての女性のためにも、あのレイプ男はあの世に葬るべきなんだ!!
そう自分を鼓舞して席を立ち、手に取ったのはギラリと光る鋭利なナイフ…じゃなくて蛍光灯の明かりを頼りなく反射するだけの三色ボールペンだった。使用者の安全を第一に考えた丸型のケース。そしてその先から申し訳程度に出てくる小さすぎる切っ先。これで脅迫でもしようものならコントだと一蹴されること間違いなしだ。私は酷く溜め息をついてへなへなと席に座る。
あれだけのことをやった男でも世間の評判が良いのは事実らしく、診察と称して自ら体を差し出す愚か者達で病院内は溢れかえっていた。燻っていた怒りは次々と押し寄せるカモの群れに文字通り忙殺されてしまい、やっと思考に耽る余裕がでたのは閉院一時間前を切った所だった。
診察室の中で何が起きているのかは受付の席からは知るよしもないが、むせかえる性の匂いで充満しているであろうことは容易に想像できた。見ず知らずの私にあんなことをした男だ。蟻地獄だとも知らないで黙っていても向こうからハーレムを築きにやってくるのだから、何も無い訳がない。
物音ひとつ聞こえてこないドアの向こう側で私と同じ、いやそれ以上の凌辱を受けているに違いないと私は何度も心の中で呟く。そうじゃなきゃ私だけ貧乏くじばかり引かされていることになってしまう。そんなのはこの上なく嫌だった。
勿論私にだって良心という物はある。悲しむ人が増えることを望むよりも、これ以上の被害を出さないように行動を起こすのが遥かにポジティブな解決策だ。散々この身を汚された私だけど、自分の心まではアイツには汚させやしない。
いや、私だけじゃない。
世の全ての女性のためにも、あのレイプ男はあの世に葬るべきなんだ!!
そう自分を鼓舞して席を立ち、手に取ったのはギラリと光る鋭利なナイフ…じゃなくて蛍光灯の明かりを頼りなく反射するだけの三色ボールペンだった。使用者の安全を第一に考えた丸型のケース。そしてその先から申し訳程度に出てくる小さすぎる切っ先。これで脅迫でもしようものならコントだと一蹴されること間違いなしだ。私は酷く溜め息をついてへなへなと席に座る。
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