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Q 強制受精で生まれる私
第9章 3.5度目
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 入口の鍵を閉め、今日の来院者のリストをまとめた物を先生に渡す。長居するとろくな目に合わないから、「それでは。」と吐き捨てて早々に部屋から出ようとする。

「浜園さんも大人なんですから、いい加減年相応の振る舞いをされたらいかがです? 覗きなんて悪趣味だとは思わないのですか?」

「…その言葉、そっくりそのまま返すわ。犯罪者から説教なんて受けたくない。」
 
 いったいこの男の頭にはいくつ目がついているのだろうか。あんな真剣な話を患者と交わしていながら、こちらの気配に気づいているのだからさすがに恐れ入る。

「気づいていたってことは、本当はあの人もてごめにするつもりだったんですね。あのお得意のでまかせからどう進展させるつもりだったんです?」

「覗いてたんですよね? なら最初から私がそんなことする気が無いこと位分かりそうなものですが。第一私は今まで誰一人としててごめに等してませんよ、人聞きの悪い…」

 カッとなって口を開きかけたが、それを自制で無理やり抑える。この男の言う通り、私は相当な癇癪持ちなのだろう。この手のやり取りをするだけで時間の無駄だと分かっているのに、つい安い挑発に乗ってしまう。

「彼女の癌は本当ですよ。検査の結果HPVも検出されましたし、細胞診の結果からも間違いはありません。」

「…あの紹介した病院も本当にあるの? 貴方みたいなやぶ医者の知り合いなんて、とてもじゃないけど信用できないわ。」

「少なくともここよりは機器が充実してますし、腕利きなのも確かです。場合によっては手術になりますから、知りうる限りで一番大きくて腕のいい病院を紹介したつもりですよ。」

 一応表向きはこの男は有名な先生らしいし、名が知られているということはその業界での顔も広いのだろう。信用はさておきちゃんとした医者のようだ。こいつみたいに下心丸出しの変態犯罪者じゃなきゃいいけど。
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