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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第3章 やきなおし
「おれね、リオのこと、きれいなひとだ、って、思ってたよ、あの雪の夜にリオのことを見た日から、ううん、おれが『神さまの声』を見つけた日から、ずうっと、」

 ずうっとずうっと前から、思ってたんだよ。

 『きれいな西園寺リオ』のことを最初に見つけたのは君だったのだと、そう云えば伝え損ねていることにリオは気付く。あいらしさとは無縁の肢体を抱きしめて、きれい、神さまみたい、と何度も云って、教えてくれたのは。あたたかな温度を持って、側に居てくれたのは。

 彼はそんなリオの僅かな胸の高鳴りなどまるで頓着せず、のんびりとした口調で続ける。

「でもね、足りんかったんだよ」
「そう」
「そうなの」

 思ってたよりも、もっともっと、かわいかったし、きれいだったよ、おれのご主人さまは。
「びっくりして、逃げちゃって、ごめんね」

 かまわないよ、と、すぐにでも云いたい。

 云いたいのに、喉が詰まって言葉が出てこない。何もかも、かまわない。すっかり全部あげてしまいたい。皮膚の底に眠る内臓ごとすべて。

 無理をしてくちを開いた途端、目蓋の内側から熱い雫がこぼれ落ちた。あまくてやさしい匂いのする肌の上に、ぽとぽと、ぽとぽと、水玉模様をつくる。彼は何故だかうふふと軽やかに笑った。

「泣き虫さんだねえ」
「そんなわけないよ、私は君神さまだからね」
「うふふ」

 知ってたから、ちゅってして、いい?

 掠れた柔らかな声で囁いて、彼は返事を待たずにくちづけた。
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