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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第3章 やきなおし
 あ、と、普段からはおおよそ考えられないようなか細い声が、白い喉からまろび出た。

 押しつけても抜いても喘ぐ声が止まらず、陽色はすこしだけ心配になる。痛くはないだろうか。苦しくはないだろうか。いくら丹念に丹念に準備をしたとて、彼女は一度もそこに雄を受け入れたことのない乙女なのだ。

 薄赤い寝間着の前釦は、すべて外してしまった。

 陽色の華奢なからだの上に、遠慮がちに跨る彼女の、白くて細いからだ。細いと云っても薄く割れた腹の下、ほんの僅かに浮いた腰骨の影が、淫靡を通り越してうつくしい。

 きれい、かわいい、うつくしい。思ったことをそのまま伝えて触ったら、触ったところからとろとろ蕩けた。腹の中が火照って熱い。入れられたものを奥まで食んで、離さない。

「や、あ、あ、あ、あう、」
「ふあ、そこ、ぁ、ん、いいの、」
「う、う、」

 ちいさな頭に、それでもしっかりと刻みつける。心臓のあるあたりをそうっと撫でられるのと、不意に髪にくちづけられるのと、奥をこぷこぷと叩かれるのがすき。

 長いこと入れたままなのに、飽かずにほしいと強請ってくる。長い指が伸びてきて、陽色の細い手首を捉えた。何か縋るものがほしかったのかもしれない。鼻先を手のひらにすり寄せ、指先にくちびるを押し当てる。

「いけないこと、だよ、ね、う、らって、こんなの、ぁ、」

 らめになる。
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