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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第4章 びやくしょや(なおくんとあかりちゃん)
「どうしましょう、私の部屋、ここから十分は歩かなければならないんですけど、直くんの家って結構近いですよね。それに確か藤堂家の持ってる不動産に住んでるんですよね、つまり、たぶん大きくて広い」
「……何が云いたい」
「一晩泊めてください! 私、もう家まで歩く気力ないです! あと広いお家にお泊まりしたいです! 今度晩飯奢りますから! ね、ね、ね、」
「歩きたくないと広い家に行ってみたい、本音はどっちだ」
「後者です!」
「そんな気はしていた」
藤堂は大きなため息をついて、女のひとり歩きは危険であるから、今回は特別だ、などと云った。女のひとり歩きも何も、夜だろうが朝だろうが露崎は基本ひとりで自宅に帰るし、藤堂もそれは知っている。付け加えるなら、仮に不審者に出会ったとしても、露崎なら逃げ切れるだろう。つまるところこれは建前だ。
私相手にそんなのいらないのに。
露崎はほうっと息を吐いた。
「……何が云いたい」
「一晩泊めてください! 私、もう家まで歩く気力ないです! あと広いお家にお泊まりしたいです! 今度晩飯奢りますから! ね、ね、ね、」
「歩きたくないと広い家に行ってみたい、本音はどっちだ」
「後者です!」
「そんな気はしていた」
藤堂は大きなため息をついて、女のひとり歩きは危険であるから、今回は特別だ、などと云った。女のひとり歩きも何も、夜だろうが朝だろうが露崎は基本ひとりで自宅に帰るし、藤堂もそれは知っている。付け加えるなら、仮に不審者に出会ったとしても、露崎なら逃げ切れるだろう。つまるところこれは建前だ。
私相手にそんなのいらないのに。
露崎はほうっと息を吐いた。