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性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第4章 びやくしょや(なおくんとあかりちゃん)
「それで、寝床、でしたっけ」
「ああ、俺は座布団を敷いてそこで、」
「一緒でいいんじゃないですか」
「は?」
「一緒でいいんじゃないですか。床でなんて寝たら明日の朝全身痛みますよ」
明莉の__少なくとも本人は妥当だと思っている__提案に、直は目を剥いた。
それからしばらくくちびるをぱくぱくと動かして、信じられないものを見るように明莉を見つめる。明莉はこてんと首を傾げ、「何かおかしいことでも?」と云った。
「おかしなこともなにも、それは、その、だめだ」
「なんでです。じゃあわたしが床で寝ますよ」
「いや、明莉が寝台を使えばいい。俺は執務室に泊まることも多いし、こう云うことには慣れている」
「そんな問題ではないですよう、ああもう、めんどくさいですねえ」
いつもと同じ、のつもりであった。それがどんな意味を孕んで見えるのかなんて考えやしなかった。そう云う向こう見ずなところは明莉の美点であり、欠点であった。
「直くん、お願い、私が直くんと一緒に寝たいんです」
そのことばに、ことば以上の意味を込めたつもりもない。それでも直は目を見開き、くちびるをぱくぱくと動かして……きゅうと顔を顰め、「すまない、責任は取る」と云ったのだった。
「ああ、俺は座布団を敷いてそこで、」
「一緒でいいんじゃないですか」
「は?」
「一緒でいいんじゃないですか。床でなんて寝たら明日の朝全身痛みますよ」
明莉の__少なくとも本人は妥当だと思っている__提案に、直は目を剥いた。
それからしばらくくちびるをぱくぱくと動かして、信じられないものを見るように明莉を見つめる。明莉はこてんと首を傾げ、「何かおかしいことでも?」と云った。
「おかしなこともなにも、それは、その、だめだ」
「なんでです。じゃあわたしが床で寝ますよ」
「いや、明莉が寝台を使えばいい。俺は執務室に泊まることも多いし、こう云うことには慣れている」
「そんな問題ではないですよう、ああもう、めんどくさいですねえ」
いつもと同じ、のつもりであった。それがどんな意味を孕んで見えるのかなんて考えやしなかった。そう云う向こう見ずなところは明莉の美点であり、欠点であった。
「直くん、お願い、私が直くんと一緒に寝たいんです」
そのことばに、ことば以上の意味を込めたつもりもない。それでも直は目を見開き、くちびるをぱくぱくと動かして……きゅうと顔を顰め、「すまない、責任は取る」と云ったのだった。