この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
性愛執心、或いは劣情パレヰドと淫欲のコンキスタドール
第4章 びやくしょや(なおくんとあかりちゃん)
「実はその頃、家族からは結婚を勧められていて。まだあの頃はいくつか未婚の子息がいましたし。でも、嫌だったんです」
「……何故、」
「会う理由がなくなってしまうから」

 嫁入りをしてしまったら、母さん経由で、たまに遊びに来てくれた直くんと、会う理由がなくなってしまうから。

 それを恋と、ひとは云わない。恋と云うには、幼すぎる。親愛、友愛、に近しいものであろうが、閨教育も満足に施されていない少女が、知らないひとと結婚して直に会えなくなってしまうぐらいなら、彼のあとを追って警邏になろうと考えるのは、ある種当然であった。

 直のひとみから、一粒、涙がこぼれた。それから、すまない、と云う。すまない、すまない、ごめんなさい、ゆるして、明莉、繰り返される涙声に、明莉はああもう、と云い返した。

「直くんは泣き虫さんですねえ」

 よくわからないけれど、直くんの好きにしてください。わたし、貴方のためなら、なんでもできるし、できちゃったから。

 ずうっとぼんやりしていて、自分のものでないようにすら思えていた感覚が、霧を払ったようにすうっと晴れる。目の前のくちびるをそうっと喰んで、その甘さに、ああ、わたしたち、ずっとくちづけをしていたんですね、とようやく気付いた。
/46ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ