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あおい風 あかい風
第2章 キス
 「かえらないで。すぐにもどるから まってて」
 それだけ言うと 陸上部の 部室まで走って行った。
 着替えがおいてあるはずだ。汚れたTシャツは スパイクを出して シューズ入れにつめ た。
  碧が まだ待っていてくれますように、と祈りながら 倉庫に駆けもどった。

 いた。

  ほっとすると 喜びが またもどってきた。

 制服のボタンを留め マットレスの上に ちょこんとすわっている碧の顔は いまにも泣き出しそうにみえる。

 ひとりでおいていくなんて なんということをしてしまったのだろう。胸がつぶれるような後悔が湧いてきたが それを言葉にすることができない。
 膝におかれている碧の手をとり 唇にもっていくと もう一度「ごめん」と言った。
 他に何をいえばいいのだろう。

 大きくて たくましくて こわいようだった大輝が 悲しげに肩をおとし そばにいる。

 今は ちゃんと考えられないけど 多分 大丈夫。

 「帰る? 自転車で来たんだ」

 唇に当てていた手を そのままつないで戸口まで行ったとき 大輝が振り向いて じっと碧の顔をみおろし 抱き寄せた。やさしい つ つみこむような抱擁だった。
  もう一度  多分 大丈夫と思った。



 大輝の鼓動が ことこと「すきだよ」と告げてくる。
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