この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あおい風 あかい風
第3章 まよい
「キスだけで 我慢できればいいのに、と思うよ」
「もう こわがらせたり 傷つけたり しないから」
この腕の中から逃げ出した碧の後姿。あの痛いような喪失感。
二度と いやだ。
「今度の試合で 引退するんだ」
えっ そんなこと。
「県大会とかは?」
「うん。夏まで走ってたら 受験に間に合わない。ただでさえ 引き離されているのに」
「スポーツ推薦は?」
「うん。やりたいことがあるから」
いつの間にか 碧は 正座をして聞いていた。
グラウンドから 太陽がなくなる。
あの空に吸い込まれそうなジャンプが見れなくなる。
そんなことはわかっていたけど 今 それを宣言するなんて。
ぐっと 唇を結んで 涙をこらえた。
「もう あんまり会えなくなる」
「それで 焦ってた」
「ひどいことして」
またテレビから 大きな笑い声がする。
「もう こわがらせたり 傷つけたり しないから」
この腕の中から逃げ出した碧の後姿。あの痛いような喪失感。
二度と いやだ。
「今度の試合で 引退するんだ」
えっ そんなこと。
「県大会とかは?」
「うん。夏まで走ってたら 受験に間に合わない。ただでさえ 引き離されているのに」
「スポーツ推薦は?」
「うん。やりたいことがあるから」
いつの間にか 碧は 正座をして聞いていた。
グラウンドから 太陽がなくなる。
あの空に吸い込まれそうなジャンプが見れなくなる。
そんなことはわかっていたけど 今 それを宣言するなんて。
ぐっと 唇を結んで 涙をこらえた。
「もう あんまり会えなくなる」
「それで 焦ってた」
「ひどいことして」
またテレビから 大きな笑い声がする。