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あおい風 あかい風
第1章 雨
 「さむい?」
 「はい。すこし」

 すこし、どころではない。歯の根が合わないくらい震えている。
 「ここのほうが いくらかマシだろ」

 ただ あなたがこわいんですけど。雷よりマシかもしれないけど どきどきして ひたすら大輝がこわい。無口で 不機嫌そうにみえ るだけかもしれないけど こわくてしかたがない。


 「おれが こわいの?」

  同じことを また聞かれた。こわいけど そのとおりです、なんていえない。ふたりっきりだし。

 少し離れて 勢いよく大輝もすわった。高飛び用のマットレスが大きく沈み 身体が大輝の方に傾く。 あせって 立て直そうとする ところ 肩をつかまれた。

 「ねっ。 しよっ」

 えっ・・・
 意味がわからず 碧が彼の顔をみつめると また 落雷の 大きな音がした。「きゃっ」思わず 大輝にしがみつく。そのま ま 大輝が強く抱きしめてくる。あっというまに キスされた。乱暴に 唇を重ねただけの若いキスだった。
  濡れた体操服をとおして 大輝の体温が伝わってくる。大輝の大きく打つ鼓動も感じられる。自分以外の鼓動とぬくもり。そして
 キス?
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