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あおい風 あかい風
第4章 風
 自転車に二人乗りして 家まで送ってくれた。
 痛みは大分楽になったけど 自転車の荷台はつらかった。「いたい」と言えば 大輝を 責めているような気がして 言えなかった。まだ異物感がある。
 これを繰り返せば 変わるのだろうか。
 あのめくるめくような時間以上のものが 待っているのだろうか。
  大輝に 応えられるようになれるのだろうか。


 ときどき 校門のところで 赤い自転車と大輝が待っていてくれるのでは、といたずらに胸をときめかせ 急ぐことがあったが いつ も空想に終わった。
 練習のときも 目が合えば おどけたように眉を上げて 笑いかけてくれるが なかなか話す機会はなかった。

  不思議なくらい ひとりぼっちだった。

 あれは 夢だったのだろうか、と思い始めた頃 大輝の最後の試合があった。
  大輝は 中距離と高飛びで また記録をぬりかえた。

 誰かが「松本さん これでやめちゃうらしいよ」と言っているのが聞こえた。


  どうしょうもなく ひとりぼっちだった。
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