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あおい風 あかい風
第6章 いとこ
しばらく数学と格闘してから 大輝が珍しく
「ゆうちゃん 恋人とキスする?」
勉強以外のことを口にした。
大輝らしくない質問の意味を理解するため まずは頭の中の三つのXと二つのZを消した。
大輝が結月の恋愛に興味があるとは思え ない。自分の悩みの突破口を探しているのだろう。
「ばりばり する」
「それは 日常的、っていう意味?」
「大ちゃん 誰かとキスしたいの?」
「誰かと した」
ありえない。でも 大輝は嘘はつかない。奥手だと思っていたのに。運動馬鹿だと思っていたのに。大輝のくせに。
「なにやってんの?」
「うぅぅぅ」
大輝は両手で顔を覆う。無口な大輝から話を引き出すのは容易なことではない。幼い頃から身に着けてきた姉御風で挑発してみる。
「大輝のことだから さぞ上手に口説いたのでしょうね」
「うぅぅぅ」
「失敗したのね」
やっぱり。大輝だもの。
「ゆうちゃん 恋人とキスする?」
勉強以外のことを口にした。
大輝らしくない質問の意味を理解するため まずは頭の中の三つのXと二つのZを消した。
大輝が結月の恋愛に興味があるとは思え ない。自分の悩みの突破口を探しているのだろう。
「ばりばり する」
「それは 日常的、っていう意味?」
「大ちゃん 誰かとキスしたいの?」
「誰かと した」
ありえない。でも 大輝は嘘はつかない。奥手だと思っていたのに。運動馬鹿だと思っていたのに。大輝のくせに。
「なにやってんの?」
「うぅぅぅ」
大輝は両手で顔を覆う。無口な大輝から話を引き出すのは容易なことではない。幼い頃から身に着けてきた姉御風で挑発してみる。
「大輝のことだから さぞ上手に口説いたのでしょうね」
「うぅぅぅ」
「失敗したのね」
やっぱり。大輝だもの。