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あおい風 あかい風
第6章 いとこ
結月は 彼の首に両手を巻きつけ 自分からキスしていった。
靴と靴下を脱がされ グランドピアノの上に横たえられた。どこか醒めた頭の中で「考え抜いた手順なのかしら」と思う。
彼の手は 楽器を愛でるように ゆっくり結月の身体を 触れるか触れないかの微妙な撫で方でしばらく楽しんでいた。
「信じられないよ。こんなに綺麗な子が 僕のものだなんて」
「あなたのもの、じゃあないからっ」と叫びたかったが 黙っていた。
結月は 自分が美しいのは知っていた。両親は普通なのに 結月の肌は 特別に白かった。色素が薄いのか 髪の毛も茶色っぽく 伸ば
してみると 癖っ毛で優しくうねってきた。
「ハーフなの?」と聞かれることもあった。ママが 外国人と浮気してできた子供なのかしら、と自分でも思うほど 日本人離れし た美しさだった。
茶色の目を覆う睫毛は くるんとカールして よく羨ましがられた。
でも 結月は 自分の美しさには関心がなかった。それを褒め称えるのは 馬鹿だと思っていた。
いつも もっと努力しなくては、と 自分を叱咤し続けた。
靴と靴下を脱がされ グランドピアノの上に横たえられた。どこか醒めた頭の中で「考え抜いた手順なのかしら」と思う。
彼の手は 楽器を愛でるように ゆっくり結月の身体を 触れるか触れないかの微妙な撫で方でしばらく楽しんでいた。
「信じられないよ。こんなに綺麗な子が 僕のものだなんて」
「あなたのもの、じゃあないからっ」と叫びたかったが 黙っていた。
結月は 自分が美しいのは知っていた。両親は普通なのに 結月の肌は 特別に白かった。色素が薄いのか 髪の毛も茶色っぽく 伸ば
してみると 癖っ毛で優しくうねってきた。
「ハーフなの?」と聞かれることもあった。ママが 外国人と浮気してできた子供なのかしら、と自分でも思うほど 日本人離れし た美しさだった。
茶色の目を覆う睫毛は くるんとカールして よく羨ましがられた。
でも 結月は 自分の美しさには関心がなかった。それを褒め称えるのは 馬鹿だと思っていた。
いつも もっと努力しなくては、と 自分を叱咤し続けた。