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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

 なんとなく浮かんだとりとめのない記憶をぽろぽろと話すと、晃は興味深げに相づちを打ってくれた。

「強いってかヤバかったけど。ちょっと虐待入ってるレベル。まあ、怒られるようなことした俺が悪いけど。風邪引いたのとか見たことないし、現場が遠くて早出遅帰りが続いてもぴんぴんしてたし、殺しても死ななそうな人だったのに。……まさか事故って死ぬとは思わねーよな。死ぬ時ってあっけねーんだなって思ったよ」
「……雨の日だったんだっけ?」
「そ。しかもかなり土砂降り。交差点で信号無視したトラックに突っ込まれて、助手席に乗ってた母親は即死。父親は救急車ん中でーー」

 そこで宵の言葉は止まる。
 晃に腕を引かれ、口付けられたからだ。

「……ごめん、そんな生々しい話聞きたくないよな」

 つい、話しすぎてしまった。話を聞くのが嫌で止められたのかと思ったが、晃は首を振った。

「いいよ、話して楽になることなら、いっぱい話してほしい。俺は宵の話ならなんでも聞きたいよ」
「……なんだよそれ」

 晃の真面目くさった顔が、なんだかおかしかった。つい笑みがこぼれる。

「別にそんな落ち込んでもねーって。この前久々に夢、見たんだ」
「……夢?」
「小さい頃の夢。姫橋祭に家族で行った時の夢だよ」
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