この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

 懐かしい記憶を掘り起こされたような、そんな気分で目覚めたのを思い出す。

「だからそこから少し思い出しただけ。あと春加が雨ん中ドライブなんか連れまわすから、ちょっと事故った時のこと思い出しちまっただけだよ」
「……ハル姉はちょっと許せないかな。あとでお灸をすえてやりたいね、本気で」
「怖。バイト先には来んなよ、絶対」

 晃の性格を考えると、来かねない。
 晃はにっこりと、胡散臭い笑みを浮かべただけだった。
 だがそこで晃は一つの疑問が浮かび、宵に聞いた。

「そういえば、事故った日って平日の昼間だったんだろ? 仕事じゃなかったの? なんで二人で車に?」
「あー……」

 宵は一瞬言葉を濁し、アイスティーを一口飲んだ。

「……役所に向かってたんだよ」
「役所?」

 宵の脳裏に、姫橋祭の帰り道、桃華に言われた一言が蘇る。
 来年は虫かごを持って来よう。それは本心からの言葉だったのか、今となってはわかりようもない。
 来年また、家族で祭に来れると、来たいと思っていたのか。
 アイスティーの氷が、溶けて崩れ、カランと音を立てた。

「ーー離婚届を出しにいくところだったんだよ。二人で」

 その詳しい理由は結局聞かされないまま、二人は帰らぬ人となったのだ。
/518ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ