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Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

「ーーふーん、なるほどね。欧米の先生から見て、君の純日本、て感じの容姿はだいぶ魅力的に見えたんだろうね」

 花魁ショーに誘われた時のやり取りを話すと、晃はそう言って笑った。もちろん最後のキスは内緒で。少しも笑い事じゃない。和装だろうが花魁だろうが、結局また女装するハメになりそうなのだ。

「でもなんでそれが髪を切るって発想に繋がるわけ? あと、俺に理由隠してたのもなんで?」
「……髪長いから女だと思われて誘われたのかなと思って」

 現実問題として、髪の長さに比例してお嬢ちゃん、とかお姉ちゃん、と声をかけられることが増えた気がする。

「今さらじゃない? 前も言ったと思うけど、宵の場合顔立ちが中性的だから、髪切ってもその誘いからは逃げれないと思うけど。花魁の格好するならウィッグかぶるだろうし」
「……ダル」
「で、俺に理由を隠してたのは?」
「別に」

 本音を言えば、去り際にキスされたのが後ろめたかったから、アメリアとのやり取り自体を話したくなかっただけだったのだが。もちろんそんなことは言えない。

「とにかく、今日切って。ハサミ買ってくから」

 勘がいい晃にこれ以上この話題を振り続けたくなくて、宵は無理矢理話を打ち切ったのだった。
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