この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

 ああ、と思う。明には居酒屋でバイトしていることになっていた。
 明は指でとんとん、と宵の席の椅子を叩き、そっと座るよう促す。
 腰を下ろすと、明はわずかに声を潜め、言った。

「暇な日あるならさ、海行かない?」
「海?」
「夏と言えば、でしょ?」
「まあ……」

 確かに、夏の定番と言えば海である。楽しそうな誘いではあるけれど。

「どうせ大人数でわちゃわちゃ行くんだろ? 俺はいーよ」

 去年の姫橋祭りの時も、明は九人くらいで行っていたのだとあとから聞いた。しかもみんな女子。
 そんな中に誘われても、と思う。

「あ、それはそれでまた別日に計画してるから安心して。じゃなくて、一泊で……」

 その時だった。
 横からぽてっと、何か柔らかいものが落ちる音がした。
 宵と明が同時に振り向くと、パンを両腕いっぱいに抱えた大山和仁(おおやまかずひと)が、わなわなと震えて立っていた。大山の足元には焼きそばパンが一つ落ちている。それほどガタイがいいわけではないが、見かけによらず大山は大食漢だった。
 とはいえ、さすがに。

「……買いすぎじゃね? パン」
「お、お、おまえら、泊まりで旅行だと? 不純異性交遊だろ、そんなの。つかいつからそんな仲に……」
/606ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ