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Memory of Night 2
第17章 台風接近

 明も窓を覗く。暗闇の中人影があった。木材やらロープやらを抱えて風の中で作業している。

「叔母ちゃーん! 危ないよー!」

 姪の声に反応し、手を止めて上を見上げる。

「あんらー、お夕食は済んだかい?」
「ご馳走さまです、美味しかったです」

 晃たちが口々に礼を言うと、叔母はにっこりと笑った。

「何してんのー?」

 と明。

「台風を迎える準備だよ! 外のものしまったり、大きいものは縄で縛って固定しとこうと思ってね。早めに始めてたんだけど、なかなか時間かかっちゃってねえ」
「あ、それで忙しかったんだ……」

 明は納得して呟いた。
 客もいないはずなのに、今日の叔母は慌ただしかった。
 木造建ての古い民宿だ。傷んだ箇所もそれなりにあるのだろう。

「いつもは叔父ちゃんがそういうのやるんだろうけど、今は腰がね……」
「叔母さん一人じゃ無理だよ、危ないし。俺たちが手伝うよ」

 すかさず声をあげたのは晃だった。

「えー、さすがに悪いって! ほんとにお礼で呼んだつもりなのにっ。あたしが……」
「おまえ行かせる方が危ねーって。じゃ明は中からやって。窓にガムテープ貼ったり、ベランダの物干し竿とかなんか飛びそうなのあったら家の中入れて」
「わかった!」
「大山も、明と手分けして……」
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