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Memory of Night 2
第35章 同室者

 下に続く階段に向かう途中、ふいに春加は足を止めた。

「晃には言ってかないの? マスターと一緒の部屋ってことは、ここだろ?」

 『27』と書かれたプレートが貼られた部屋を指し示し、春加が言う。
 宵も足を止めドアを一瞥するも、首を振った。
 先ほどこの部屋を訪れた時、丸テーブルに広げられた参考書が見えた。きっと今も勉強している。
 もう共通試験まで二週間を切った。あまり勉強の邪魔はしたくなかった。
 それに、春加と行動することを晃はよくは思わないだろう。変に気にさせてしまうのも、嫌だった。

「そんな時間かかんないだろ?」
「かけないよ、夕飯には間に合わせたい。熊でも居たら退治しなきゃだから、時間かかるかもしれないけどな」
「……いやいや、闘おうとすんな。そこでの撮影を諦めろ」
「Never give up! ダヨ」
「……アメリア先生まで何言ってんすか。勝てるわけないでしょ、熊に」

 今は五時半くらいだ。夕食はだいたい七時頃からと聞いているので、急がないといけない。
 三人は足早に外へと向かった。
 広い玄関を出ると、すでに日が沈みかけていた。一瞬で冷気が全身を包み、身震いしそうになる。
 とりあえず雪は降っていなかった。ここ数日降ってないらしく、歩けないほど積もってはいない。本当に、いいタイミングで撮影に来れたらしい。
 裏手にある駐車スペースまで歩き、アメリアが案内してくれた車まで行った。それは、ガタイのいいくすんだオレンジ色のジープだった。
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