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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第1章 1皿目
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昨日の失敗もなんのその。街一番と評判のお肉屋さんで買ったステーキ肉を前に、私は瞬きひとつすることなく地蔵の様に張り付いていた。料理も漫画と同じ。いくら大きな失敗を積み重ねようと、諦めたらそこで試合終了だって著名な先生が言っていた。何事も継続は力なりなのだ。
焦がさないように極弱火でじっくりと焼くステーキは、脂が焼けた芳醇な香りを私に浴びせてくる。この匂いだけでも缶チューハイを開けたくなるも、今日はいつも以上に真剣勝負。ただでさえ高い肉を使っているのだから、失敗する訳にはいかないのだ。
洲にはサプライズがあるから、早く帰ってくるように予め言ってある。今までのこともあって急な飲み会が…なんて言ってくるかもしれないと不安だったけど、肉を焼く前に今から帰るとメッセージが来ていた。それだけで夫婦仲は悪い訳じゃないんだなと安心でき、おかげで目の前の料理に集中できる。
両面を焦がさずに色良く焼けたのを確認した私は最後の仕上げにかかる。手に取ったのはお肉屋さんの横にある酒屋さんで、赤ワインの代わりに購入したブランデーだ。丸型のお洒落な瓶の中を琥珀色の液体で満たしていて、そのまま飾っておきたい衝動にかられるも、今日はこれでフランベというものをやるのだと邪念を払拭する。
お肉屋さんでステーキ肉二枚購入したところ、肉屋の主人に特別な日なのかと聞かれた。愛する夫とのロマンチックな日なんて特別なんてものじゃないと伝えたところ、これを勧められたのだ。
動画サイトで確認するとまるで魔法の様に青い炎がフライパンにほとばしり、一瞬の内に消えるという凄ワザで、本場のシェフっぽい味にできるらしい。洲の前でやれば盛り上がること間違いなしだけど、さらっとこなすのが主婦のあるべき姿だと思ってぐっと堪えた。赤ワインはお金の都合上断念せざるを得なかったけど、ブランデー片手にステーキなんてロマンチックの塊だと思ってこっちにした。
昨日の失敗もなんのその。街一番と評判のお肉屋さんで買ったステーキ肉を前に、私は瞬きひとつすることなく地蔵の様に張り付いていた。料理も漫画と同じ。いくら大きな失敗を積み重ねようと、諦めたらそこで試合終了だって著名な先生が言っていた。何事も継続は力なりなのだ。
焦がさないように極弱火でじっくりと焼くステーキは、脂が焼けた芳醇な香りを私に浴びせてくる。この匂いだけでも缶チューハイを開けたくなるも、今日はいつも以上に真剣勝負。ただでさえ高い肉を使っているのだから、失敗する訳にはいかないのだ。
洲にはサプライズがあるから、早く帰ってくるように予め言ってある。今までのこともあって急な飲み会が…なんて言ってくるかもしれないと不安だったけど、肉を焼く前に今から帰るとメッセージが来ていた。それだけで夫婦仲は悪い訳じゃないんだなと安心でき、おかげで目の前の料理に集中できる。
両面を焦がさずに色良く焼けたのを確認した私は最後の仕上げにかかる。手に取ったのはお肉屋さんの横にある酒屋さんで、赤ワインの代わりに購入したブランデーだ。丸型のお洒落な瓶の中を琥珀色の液体で満たしていて、そのまま飾っておきたい衝動にかられるも、今日はこれでフランベというものをやるのだと邪念を払拭する。
お肉屋さんでステーキ肉二枚購入したところ、肉屋の主人に特別な日なのかと聞かれた。愛する夫とのロマンチックな日なんて特別なんてものじゃないと伝えたところ、これを勧められたのだ。
動画サイトで確認するとまるで魔法の様に青い炎がフライパンにほとばしり、一瞬の内に消えるという凄ワザで、本場のシェフっぽい味にできるらしい。洲の前でやれば盛り上がること間違いなしだけど、さらっとこなすのが主婦のあるべき姿だと思ってぐっと堪えた。赤ワインはお金の都合上断念せざるを得なかったけど、ブランデー片手にステーキなんてロマンチックの塊だと思ってこっちにした。