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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第1章 1皿目
「あひっ!! しょこだめ!! いぎぃ!! そこもだみぇえ!!」

「なんだよ…全部、ダメなわけ、ないじゃん。全部…いいん、だろ? 俺も…よすぎて…出そう」

 洲は限界が近いのか腰のストロークを速めていく。パンパンと下劣な音が鳴り響く程に激しい腰振りは、感極まって射精のことしか考えられない何よりの証拠だった。パトーナーの穴に出すことだけに集中している雄と、なけなしの愛の所在を目にするまでは死んでも死にきれないと、明滅する意識で模索する雌のせめぎ合いを繰り広げる。

 先に事切れるのは私か夫か。
 そもそも何を持って勝敗を決するのか。

 彼は存分に与えると言ってるのに、私は贅沢にもそれ以外のものを、否、それ以外のものも欲しいと願っている。労せずして施しを受けようとしているのに、このままじゃ嫌だと駄々をこねる。そんなことしても何にもならないというのに、腕の抑えがない左手のひらを広げて何かを掴もうと蠢かせる。

「はあぁあん!! い、いやっ、まだイキたく、あっあっあっあぁああ!! 」

「…ごめん。もう…むりぃ…うっうぅ!!」

 一際高く唸るその刹那。洲は私の要求に応えるかのように右手を絡ませてくる。
 咄嗟に取った行動だったのか、それともとどめとして狙っていたのに上手くいかなかったのか、私達はお互いの手をちゃんと握ることはできなかった。

 彼の人差し指と中指に挟まれるように囲われる、左薬指。
 心臓に一番近く、妻としてもっとも大事な指。

 どくんと三つ、響き渡る。

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