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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第1章 1皿目
「どうしたの? 急にしおらしくなって…あぁ、そっか。興奮し過ぎて、頭パンクしちゃったんだね。まるで糸巻きのチャーシューみたいで…凄く、良い味がしそうだ…」

 淫靡な肉汁を味見するように、洲が首筋に舌を這わせ、そのまま唇で優しく食んでくる。筋ごと摘ままれる一定間隔の感触、喉元をごくりと震わせる度に引っ張られる真空圧に似た感触、ちろちろと舌でソフトタッチしては唾液で濡らされる感触…鎖骨の髄までしゃぶられる肉吸いに、私は「あぁ…吸っちゃ、だめぇ…」と馬鹿の一つ覚えのように繰り返す。

 吸っちゃだめ…回らない頭を必死に絞り出してはようやく出てくるこの言葉には、二つの意味が込められている。これ以上されたら、本当におかしくなっちゃうという意味がひとつ。止めて欲しいのか、振り切れるまで続けて欲しいのか、よく分からない感情。

 もう…ひとつ…は…

 身体が、奥が、熱い…の…

 痒い…掻きたいの…
 誰か…誰か、掻き乱して…奥を。

 洲…しゅ、う…


「…いい顔。とても苦しそうだね。今楽に…って、それは殺す時の台詞か。今、イカせてあげるからね」

 刑の執行を宣言した洲は、その興奮の源になったであろうエプロンの紐に手をかけ、もう用済みだとでも言うように、情諸の欠片もなく一気にほどいてしまう。

 枯れ葉みたいにはらりと地に落ちた後に残されたのは、雌の本性をありありとさらけ出す、キュートなピンク色の下着だけ。自分が着けた物とはいえ、表に出されると凄くがっついていたみたいで、余計に恥ずかしくなってくる。

「ピンク…凄く似合うね。こんなの男に見せびらかしたら…もう抑えきれないよ」

 辺りにガラス瓶の破片が散らばっていることなどお構いなしに、洲は無気力な私を床に押し倒す。恍惚な洲の表情を朧気に捉えながら、熱気を撒き散らすことしかできない私に、処刑人は片脚を掴んで磔刑にかける様に、天高く持ち上げる。四十八手のひとつ、松葉崩しを思わせるその行為に、柔らかさなどとうに失くしてしまった私の股部に、引き裂かれそうな激痛が走る。
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