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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第2章 2皿目
「あ、そうそう忘れるとこだった…店長から差し入れです。最近凄く暇だからいつでも頼んでくれって言ってましたよ」
そういうこともあってか、こうして瀨尾君を介して店の余り物を差し入れとして貰うことが多い。そしてもれなく何も書かれてない伝票も渡される。
「おぉー、いつもいつもありがとうって伝えておいて。そうだなぁ…最近重いのばっかだったしなぁ。昨日のステーキ…とか…」
お裾分けはタダという訳ではなく、次回の出前の注文分と引き換えとなっている。店は閑散としててもそこは中国の料理人。四千年の歴史の業を遺憾なく発揮した料理はどれも美味しく、私はいつも…特に締切間近は三食利用する程お世話になっている。
そんないつものノリで軽い物を頼もうと思った矢先、ステーキという単語で昨日の出来事がフラッシュバックする。あれは夢の中の出来事のはず…それなのに不意に身体の芯を掻き回された気がして、ぞくぞくと悪寒を走らせる。
「…ステーキがどうかしましたか?」
「ううん!! なんでもない!! どうしようかなー最近寒くなってきたし小籠包が食べたいなー!! ほらほら、あの口の中にじゅわっと広がるスープ!! たまんないよねーあはは!!」
ラーメンでも炒飯でもなく、とっさに思い付いた単語を口走り会話を合わせるも、動揺しているのがバレバレなのか、瀨尾君は昼時と同じ様なしかめっ面をしている。鋭い眼光に耐え、今にも吹き出しそうな冷や汗を、笑顔の仮面で必死に隠す。
そういうこともあってか、こうして瀨尾君を介して店の余り物を差し入れとして貰うことが多い。そしてもれなく何も書かれてない伝票も渡される。
「おぉー、いつもいつもありがとうって伝えておいて。そうだなぁ…最近重いのばっかだったしなぁ。昨日のステーキ…とか…」
お裾分けはタダという訳ではなく、次回の出前の注文分と引き換えとなっている。店は閑散としててもそこは中国の料理人。四千年の歴史の業を遺憾なく発揮した料理はどれも美味しく、私はいつも…特に締切間近は三食利用する程お世話になっている。
そんないつものノリで軽い物を頼もうと思った矢先、ステーキという単語で昨日の出来事がフラッシュバックする。あれは夢の中の出来事のはず…それなのに不意に身体の芯を掻き回された気がして、ぞくぞくと悪寒を走らせる。
「…ステーキがどうかしましたか?」
「ううん!! なんでもない!! どうしようかなー最近寒くなってきたし小籠包が食べたいなー!! ほらほら、あの口の中にじゅわっと広がるスープ!! たまんないよねーあはは!!」
ラーメンでも炒飯でもなく、とっさに思い付いた単語を口走り会話を合わせるも、動揺しているのがバレバレなのか、瀨尾君は昼時と同じ様なしかめっ面をしている。鋭い眼光に耐え、今にも吹き出しそうな冷や汗を、笑顔の仮面で必死に隠す。