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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第2章 2皿目
「…うん。お風呂入ってくるね、私…あ、今日遅くなっちゃったから、ご飯買ってきたよ。先に食べててよ」

「ビニール袋の中は…肉まん? 紙袋の方は…まぁいいや。お風呂上がりまで待つよ。肉まんなんてレンジで温め直せばいいんだし。時間なんて気にせず、ゆっくり入ってきなよ」

 私の催促を断って、洲は湯船に浸かる私を待ち続けると宣言する。洲の言う通り、味に拘りの無い私達のことだから、レンチンすればいいだけの話ではある。だけど私としてはこの後のことがあるから、先に上機嫌になって欲しかったのに、洲の言い分に何の抵抗もできず流されてしまう。

 脱衣場で衣服を脱いでいき、ショーツを脱ごうと腰を屈むと、体の奥の方でぬるりとした感触を覚える。恐る恐る指を入れて確かめてみると、電球の光を受けてきらきらと光る粘液がまとわりついていた。私はなんだか猛烈に恥ずかしくなって、早々に身体を洗い流して湯船へとダイブする。

 今日の…いや、昨日の疲れも発散させようと肩までお湯に浸かるも、ぼぅーとしているのが良くないのか昨夜の出来事がフラッシュバックする。今も身体のあちこちに残る洲の名残。湯水に晒しても決して消えることなく、泥のように身体にへばりつくそれは、さながら泥パックの様に私を媚人へと塗り替えていく。

 冷えた体温をお風呂が暖めるにつれ、私の身体は小刻みに震え、やがてそれは悶えに変わっていく。火傷するような温度じゃないのに、沸騰する様に沸いてくる疼きに、私はまるで茹で蛸みたいに体をくねらせる。じっとしていると気がおかしくなりそう…だけど寝返りを打つように体を捻れば捻る程、水が皮膚をむず痒く撫でて、あのいやらしい手付きを思い立たせる。

「つ…あっ…」

 悪戯好きの水の妖精を払い除けようと手を体に擦り付けると、滑らかな水が潤滑油となって皮膚をつるりと滑っていく。ペンギンの雪滑りの様に肌を滑る指は止まることを知らず、お腹より下にあるクレバスに落ちてしまう寸前で崖っぷちの出っ張りに手を掛ける。

「あぁ…だ…め…」

 頼りない平らな翼でひしと凸を掴むペンギンを、クレバスは重力の法則に従わせようと、その体を奈落に引きずり込もうとする。奥に奥にと沈めば沈む程、わしわしと四肢を動かすクモが飛び込んできた獲物に歓喜の舞いを踊って出迎える。
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