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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第2章 2皿目
私は早々に湯船から出て、のぼせそうな身体を冷やそうと冷たいシャワーを浴びる。折角温めた肌が一気に冷えていき、背筋が縮こまっては短息が漏れる。そんな身を切るような痛い雨を受けながらも、私の頭の中は先程の淫夢のことで一杯だった。
自慰自体は何も珍しいことじゃない。洲がしてくれない時期が続いてた時は、自分の情けなさと洲もきっと隠れてしてるんだから…という言い訳を盾に、個室でこっそりと指を這わせたり、枕の角に押し付けたりしていた。
でも、どれだけ欲求不満になろうと夫婦共同で使うお風呂でしちゃうことは、今まで一度たりとも無かった。ましてや夫がすぐ近くにいるというのに我を忘れて…到底考えられなかった。
もし洲に見られていたら、今頃どうなっていたのだろうか。下品な女だと軽蔑されていただろうか。それとも昨日みたいに…いや、あれは夢なんだって何度も言ってるじゃない…
今日は朝から体調が優れないみたいだし、きっとそのせいに違いない。洲には悪いけど、今日は早いとこ床に着こう…そう溜め息を漏らしながら、燻っている情を消火する様に体の水気を拭き取り、洲が待つリビングへ向かおうとしたまさにその瞬間。私はキッチンの上に鎮座する巨大な黒い物体を目にし、嘆息が悲鳴へと突然変異する。
「なになに!? 今度はなに!?」
「あ、あれ!! あれあれ!!」
全身総毛立って微動だにしない黒い悪魔を何度も指差す私に、洲は呆れの感情が駄々漏れの溜め息を吐く。何だその溜め息は。これだからは女はとでも思っているのか。そんなこと今はどうでもいい。いいから!! 早く!! あれを!!
「あのさ。栞今日もの凄ーく疲れてる? あんなメタボなGがいるわけないだろう」
「嘘!! 嘘よ!! だってあんな黒いのうちに…」
「いるはずがないって、自分が持ってきたんじゃないか。よく中華食べるくせに、ピータンも知らないの?」
瀨尾君から聞いた気がするその名を持つ巨大怪虫を、洲はいとも容易く掴んでほらっ、と私の前に差し出してくる。未だにあの憎き黒光りだと信じて疑わぬ私は、夫の信じられない行動に叫んで後ずさるも、でっぷりと可愛らしい玉子型の物体を目にしてようやく落ち着きを取り戻した。
自慰自体は何も珍しいことじゃない。洲がしてくれない時期が続いてた時は、自分の情けなさと洲もきっと隠れてしてるんだから…という言い訳を盾に、個室でこっそりと指を這わせたり、枕の角に押し付けたりしていた。
でも、どれだけ欲求不満になろうと夫婦共同で使うお風呂でしちゃうことは、今まで一度たりとも無かった。ましてや夫がすぐ近くにいるというのに我を忘れて…到底考えられなかった。
もし洲に見られていたら、今頃どうなっていたのだろうか。下品な女だと軽蔑されていただろうか。それとも昨日みたいに…いや、あれは夢なんだって何度も言ってるじゃない…
今日は朝から体調が優れないみたいだし、きっとそのせいに違いない。洲には悪いけど、今日は早いとこ床に着こう…そう溜め息を漏らしながら、燻っている情を消火する様に体の水気を拭き取り、洲が待つリビングへ向かおうとしたまさにその瞬間。私はキッチンの上に鎮座する巨大な黒い物体を目にし、嘆息が悲鳴へと突然変異する。
「なになに!? 今度はなに!?」
「あ、あれ!! あれあれ!!」
全身総毛立って微動だにしない黒い悪魔を何度も指差す私に、洲は呆れの感情が駄々漏れの溜め息を吐く。何だその溜め息は。これだからは女はとでも思っているのか。そんなこと今はどうでもいい。いいから!! 早く!! あれを!!
「あのさ。栞今日もの凄ーく疲れてる? あんなメタボなGがいるわけないだろう」
「嘘!! 嘘よ!! だってあんな黒いのうちに…」
「いるはずがないって、自分が持ってきたんじゃないか。よく中華食べるくせに、ピータンも知らないの?」
瀨尾君から聞いた気がするその名を持つ巨大怪虫を、洲はいとも容易く掴んでほらっ、と私の前に差し出してくる。未だにあの憎き黒光りだと信じて疑わぬ私は、夫の信じられない行動に叫んで後ずさるも、でっぷりと可愛らしい玉子型の物体を目にしてようやく落ち着きを取り戻した。